2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J10221
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 真実 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 海馬 / 記憶 / 神経活動 / Arc |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに、海馬において常に高い活動を示す強活動細胞の存在を明らかにしてきた。申請研究の目的は、これらの強活動細胞が優先的に記憶に関与し、情報の主要な担い手であるかを明らかにすることである。この目的を達成するため、強活動細胞を可視化し、活動を操作する実験系の確立を進めた。申請研究では、外部刺激のない環境におけるArcの発現を強活動細胞の指標として用いる。そこで、Arc-CreERT2マウスの海馬にAAV-DIO-eArch3.0-EYFPを投与し、ホームケージ時にタモキシフェンを投与することで強活動細胞を可視化することができるか検討した。このマウスから海馬切片を作製し、EYFPの発現を確認した結果、少数の細胞がEYFPを発現していた。EYFP陽性細胞の割合は、刺激が存在する場合と比較して少なかった。さらに、Arcの免疫組織化学染色法を組み合わせ、数週間の間隔をあけた異なるタイムポイントにおける強活動細胞を同時に検出した。その結果、両者の重なりはチャンスレベルよりも高いことが明らかとなった。つまり、強活動細胞は数週間経過した後も変化しにくいものであると考えられる。以上の結果から、本手法を用いて常に高い活動を示す強活動細胞を可視化することができる可能性を示した。また、強活動細胞の活動を操作するためには、光刺激によって細胞の活動を抑制できるかを調べる必要がある。そこで、本年度はパッチクランプ法の手技を習得し、安定した記録が可能になった。さらに、今後行う行動試験に向けて、行動試験系の条件検討も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は強活動細胞を可視化する実験系を確立した。さらに、今後の実験を進めるために必要な実験手技の習得、条件検討も行った。以上のことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず光刺激によって強活動細胞の活動を抑制することができるかパッチクランプ法を用いて確認する。そして、強活動細胞が優先的に記憶に関与するか、強活動細胞が記憶の想起に必要であるかという二点を検証していく。
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Research Products
(1 results)