2018 Fiscal Year Annual Research Report
軽元素との合金化および結晶構造制御による新規貴金属ナノ物質材料の開発
Project/Area Number |
17J10244
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
脇坂 拓生 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
|
Keywords | ロジウム / 炭化物 / 電極触媒 / 水素発生反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新規金属炭化物の合成及び、結晶構造制御による新規貴金属ナノ粒子の合成を目的とした。これまでにTCNQなどの電子受容体を用いた新規の合成手法により、ロジウム炭化物の合成に成功していた。ロジウム炭化物は相図上でも存在せず、新規の物質であり、その電子状態や物性は十分に明らかにされていない。本年度は得られたロジウム炭化物に関する触媒活性評価を行なった。貴金属炭化物はこれまでほとんど報告がなく、どのような反応に対して優れた活性を示すか全く分かっていない。そのため様々な反応に対する評価を行なった。その中で、水素発生反応、HERに対して優れた活性を示すことが分かった。HERに対して、白金が最も優れた触媒活性を示し、ロジウムは白金よりも劣っている。本研究で得られたロジウム炭化物はロジウムよりも優れた活性を示し、さらに白金と同等の触媒活性を示すことが分かった。さらに、理論計算によるHERに対するロジウム炭化物の活性評価を行なった。DFT計算でもロジウム炭化物の優れた活性を支持する結果が得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主に得られたロジウム炭化物に関する触媒活性評価を行った。ロジウム炭化物のHERに対する優れた触媒活性を明らかにし、計画以上に進展していると言える。また、新規金属炭化物の合成や結晶構造制御による新規貴金属ナノ粒子の合成について、様々な手法を用い合成を試みたが、未だに成功に至っていない。しかし、新規物質合成につながる手がかりも一部得られており、今後、合成成功に至ると十分期待できる。 以上の結果から、全体的に研究は順調に進んでいると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、新規炭化物及び結晶構造制御を目指し、合成を行う。炭化物については、通常炭化物を形成しない貴金属を中心に試行を続ける。ロジウム炭化物の合成例を参考に、他の金属に応用していく。 また、本年度、HERに対するロジウム炭化物の優れた触媒活性が明らかになったように、他の反応に対しても優れた活性を示す可能性がある。今後、さらに様々な反応に対して評価を行なっていく。他の金属についても合成に成功した場合、同様に測定を行い、系統的な合成手法の確立を目指す。
|
-
-
[Presentation] Characterization and HER Catalytic Activity of Novel Rhodium Carbide2019
Author(s)
Takuo Wakisaka, Kohei Kusada, Dongshuang Wu, Tomokazu Yamamoto, Syo Matsumura, Takaaki Toriyama, Wei Xie, Michihisa Koyama, Hiroshi Akiba, Osamu Yamamuro, Kazutaka Ikeda, Toshiya Otomo, Shogo Kawaguchi, Yoshiki Kubota, Hiroshi Kitagawa
Organizer
日本化学会第99春季年会