2017 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロピラー構造を用いた簡便かつ高機能な微粒子分離デバイス
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17J10441
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鳥取 直友 東京工業大学, 工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロ流路 / 微粒子分離 / 流体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は以下を実施した. (1)温度応答性高分子を用いた分離直径調節可能なデバイスの設計・作製:マイクロ流路デバイスは,温度応答性高分子(poly-N-isopropylacrylamide; PNIPAM)) のフォトレジストを用いてガラス基板上に作製したDLDピラー及び, それを密封するための PDMS製の流路から構成される.PNIPAM製DLDピラーはフォトリソグラフィにてスライドガラス上に作製し,PDMS流路はSi基板上にSU-8を用いて作製した鋳型からPDMSにパターンを転写することで作製した. (2)作製デバイスの評価 :上記(1)で作製したPNIPAM製のDLDピラーの温度応答性,形状変化,耐久性について評価した.温度応答性に関しては,温度変化を与えた際の支柱形状変化の応答速度を評価した.ピラー形状に関しては,温度変化により生じるピラーの膨潤・収縮の様子を測定した.支柱の耐久性については,デバイスに繰り返し温度変化を与えた際の膨潤・収縮の再現性や,液体をデバイスに導入した際に,ガラス基板上に作製したピラー構造が壊れずに許容可能な流量範囲について評価した. (3)粒子分離実験によるデバイス性能評価:温度操作により分離直径を制御し,上記(1)で作製したデバイスにて粒子軌道の制御が可能かを評価した.具体的には,蛍光ポリスチレンビーズの試料をデバイスに導入し,ビーズの分離試験を実施した.ビーズのサイズには,生体粒子(細胞など)を模擬し,直径7 μmと2 μmのビーズを選定した.デバイスの温度を変化させることにより,DLD流路内のビーズ軌道を制御可能であること,7 μmと2 μmのビーズ分離のON・OFF制御が可能であることを確認した. (4)上記の研究に加えて,慣性フォーカスによる単一入力型粒子分離デバイスの研究に関しても,デバイスの設計と作製を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
温度応答性高分子を用いたマイクロ流路の作製,作製したデバイスの特性評価および,作製したデバイスを用いた粒子分離試験に至るまで,順調に行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,当初の予定どおり,慣性フォーカスによる単一入力型粒子分離デバイスの開発および分離直径の導出について検討する.
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Research Products
(16 results)