2018 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン受容体(AHR)のリガンド認識及び転写活性化機構の構造科学的解明
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17J10586
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 駿也 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 構造生物学 / X線結晶構造解析 / 電子顕微鏡解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではダイオキシン受容体(Aryl hydrocarbon receptor, AHR)についてリガンドの詳細な認識機構及び一連の転写制御機構の解明を目指し、構造生物学的な研究を行った。具体的には転写活性化複合体であるAHR/ARNT/リガンド/DNA複合体、転写抑制複合体であるAHRR/ARNTについてX線結晶構造解析または電子顕微鏡を用いた単粒子解析による構造決定を目指した。 前年度までにAHR/ARNTについて熱安定性を向上させた変異体を作製し、結晶化スクリーニングを行った。また、AHRR/ARNTについては結晶構造解析に成功し、AHRRによるAHRの転写抑制機構の構造基盤を明らかにした(Sakurai et al., J Biol Chem., 2017)。 本年度はAHR/ARNTについて、フラグメント抗体であるFv-claspとの複合体での結晶化を目指した。Fv-claspは従来のフラグメント抗体に比べて構造の柔軟性が少なく、結晶性が良いという特徴を持つ。抗体にはPAペプチド(GVAMPGAEDDVV)を認識するNZ-1を用いた。PAペプチドはそれ自身がβターン構造を形成するという特徴を持つことから、AHR、ARNTのβターンまたはループ領域にPAペプチドを挿入した。PAペプチドを挿入したAHR/ARNTについて発現量及びNZ-1結合能が良好なペプチド挿入位置をAHR、ARNTそれぞれ2か所、5か所見出した。それらの挿入位置を組み合わせて1~6か所PAペプチドを挿入したAHR/ARNTの高純度サンプルを調製した。得られたサンプルについてNZ-1 Fv-claspとの結合を確認し、NZ-1との複合体を調製した。得られたサンプルを用いて結晶化スクリーニングを行ったが、結晶を得ることはできなかった。また、AHR/ARNT/リガンド/DNAについて、クライオ電子顕微鏡による単粒子解析を行い、12オングストロームと低分解能ではあるが三次元密度マップを得ることに成功した。得られたマップはHIF/ARNTなどのbHLH-PASファミリーの結晶構造から予測されるモデルと同様の形状をしていた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)