2018 Fiscal Year Annual Research Report
The development of a mindfulness neurofeedback method for the prevention of depresson relapse
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17J10680
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 徹 早稲田大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | マインドフルネス / うつ / 不安 / セルフコンパッション / マインドワンダリング / メタ的気づき / 脳波 / ニューロフィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
マインドフルネスのニューロフィードバックを実現するにあたって、まず日本においてマインドフルネスを向上させる訓練が有効かどうか、さらにそのメカニズムを研究する必要がある。そのメカニズムと関連する脳波の指標が、マインドフルネスを特徴づける脳波として有用であり、ニューロフィードバックのターゲットになり得るからである。そのため、2018年度は、マインドフルネスの有効性とメカニズムを検討する一連の研究を行なった。2018年度の主な成果は以下である。 標準的なプログラムを基にしたマインドフルネス療法が、うつと不安に奏功するメカニズムとして、 1、マインドフルネスとセルフコンパッションの向上が重要であることを示した。 2、思考と現実を混同する傾向の減少と、マインドワンダリングの減少が重要であることを示した。 3、現在、上記の全ての変数を測定した、ランダム化比較試験を実施中である(上記の成果は全て単群デザインによるもの)。臨床試験事前登録をし、サンプルサイズを事前に40名と設定し、現在までに24名(介入群12名、待機群12名)のデータが集まっている。現時点の予備解析では、思考と現実を混同する傾向の低さと類似した、マインドワンダリングにメタ的に気づいている状態が、待機群に比べて介入群で大きく有意に向上したことが示されている(マインドワンダリングの約2倍の効果量で向上した。)このランダム化比較試験では、2017年度に明らかにしたマインドフルネス瞑想に特徴的なデルタ波の低下も関心のある変数としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マインドフルネスのニューロフィードバックを実現するには、マインドフルネスに特有の脳活動を同定する必要があるが、現在それを明らかにするために、厳密なランダム化比較試験を実施中である。そのパイロットスタディとしての単群介入の結果は、国際誌に原著論文として掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、ランダム化比較試験のデータを目標人数まで集め、うつを改善する重要な媒介変数を同定する。その媒介変数ともっとも関連の強い、脳波の指標を抽出する(脳波は、安静時、注意課題時、マインドフルネス瞑想時のデータを取得している)。その後、その脳波の指標を高めるようなニューロフィードバックシステムを開発する。現在研究室が所有している脳波計では、ニューロフィードバックシステムを実装するのが困難であることが明らかになったため、ニューロフィードバックが可能な簡易脳波計を購入し、システムの作成を試みる予定である。
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Research Products
(11 results)