2019 Fiscal Year Annual Research Report
元素の特性を活かした効率的分子骨格構築法の開発と新機能創出
Project/Area Number |
17J10805
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大井 未来 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | アミロイドβ(Aβ)ペプチド / Aβ選択的光酸素化触媒 / アルツハイマー病 / 酸素化機構 / メチレンブルー / ヒストンアセチル化触媒 / 理論(DFT)計算 / 反応機構解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は、元素・分子骨格の特性を活かすことにより、生体内での適用を志向した「メチレンブルー型アミロイドβ選択的光酸素化触媒」の開発、および理論計算による効率的ヒストンアセチル化触媒の反応機構解析を行った。 アミロイドβペプチド(Aβ)は凝集により神経細胞毒性を示し、アルツハイマー病を発現させる原因物質の一つであるが、酸素化することによりその凝集性・毒性を抑制することが可能である。今年度は昨年度に引き続き、当研究室にて開発されたメチレンブルー(MB)型光酸素化触媒を基盤に、生体への適用を志向して構造最適化を行った。MB型触媒は高い酸素化活性を有し、遮光条件下においては生細胞への毒性が低い一方で、光照射条件下においては高い細胞毒性(光細胞毒性)を示した。分光学的手法を用いた光細胞毒性発現原因の解析の結果、MB型触媒は生理条件下において凝集体を形成し、光照射により細胞毒性の要因となる多量のスーパーオキシドアニオンを発生していることが明らかになった。そこで、実験および理論計算の両面から精密な分子設計に取り組み、MB骨格への適切な置換基の導入により生理条件下において凝集体を形成しない新規MB誘導体を開発した。開発したMB誘導体を母骨格とする新規MB型触媒は、光照射条件下においても高い細胞生存率を維持しており、生体への侵襲性が低く、Aβに対する高い酸素化活性を有する触媒を実現した。 効率的ヒストンアセチル化触媒の開発においては、理論(DFT)計算によりフェニルアセテート誘導体をアセチルドナーとして用いるヒストンアセチル化反応の機構解析を行った。ヒストンのリシン残基とフェニルアセテート部位が静電相互作用および水素結合を形成することで遷移状態を安定化し、アセチル化反応が効率的に進行していることを見出した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)