2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J10870
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 亮太 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | ストレス / 心電図 / 大脳皮質 / 個体差 / 電気生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神的なストレス経験は、脳から送られる情報を介して全身の臓器や行動に多様な機能不調をもたらし、さらにはうつ病などの精神疾患をも引き起こしうる。一方で、同等のストレスを受けたとしても、その応答は全ての個人・個体に同じように生じるわけではなく、個体差があることが知られている。これまで、ストレス応答の個体差は、神経細胞の遺伝子発現変化や形態変化といった分子・細胞レベルでの違いについて研究されてきた。しかし、こうした分子・細胞レベルでの違いは、ストレス後に脳を取り出し、目的の組織を回収することによってしか調べることができない。そのため、ストレス後に脳がどのように違ったかを捉えることはできても、その違いがストレス前からあったのか、それともストレスによって初めて生じたのかを区別することはできない。この問題を解決するためには、生きたまま脳の状態を調べる必要がある。すなわち、ストレスを受ける前(平常時)からストレス後にかけて、経時的に脳活動を評価する実験系が必要不可欠である。そこで本研究では、生体での自由行動下における電気生理学的手法を適用することによって、ストレス応答の個体差の要因が平常時の脳活動に存在するかを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広範な脳領域からの神経活動の記録およびその解析に成功しており、昨年度の計画通りに遂行できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
一般に、慢性的に社会的敗北ストレスを与えると、うつ様行動を示す個体と示さない個体に2分される、ということが知られている。現在までにみられている単発のストレス経験による心電図の応答の個体差と、慢性的なストレス経験によるうつ様行動の個体差の関係について調べていく予定である。
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Research Products
(4 results)