2017 Fiscal Year Annual Research Report
IgG4関連疾患におけるIgGの病原性と標的抗原の解明
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17J10902
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
塩川 雅広 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 抗原 / IgG4 / 自己免疫性膵炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患では、その病態形成の原因となる真の自己抗原が不明である。これまでの解 析から、1)抗原ラミニン511をマウスに免疫することにより自己免疫膵炎の病理診断基準を満たす膵病変が 誘導されたこと、2)自己免疫膵炎患者血清(10例)の半数において抗原ラミニン511に対する自己抗体が検出されたこと より、申請者はラミニン511が自己免疫膵炎真の自己抗原である可能性が高いと考えている。自己抗原が同定できれば、同疾患の病態解明に寄与するのみならず、その抗体の測定法の開発は、本疾患の診断・病型分類・治療方針の決定・治療効果判定、新たな治療方法の開発などに大きく貢献するものと期待される。 本年度は、①自己免疫膵炎患者における抗自己抗体の症例数を増やした検証を行い約70例の自己免疫性膵炎患者血清と約100例 (健常人50例、膵癌患者20例、膠原病患者20例、血清IgG4高値の膵癌患者・原発性硬化性 胆管炎患者各5例)のコントロール血清で比較し、感度50%、特異度98%と十分で臨床応用可能な結果であった。また抗体陽性者と陰性者で臨床像(膵臓の罹患部位、悪性腫瘍合併の有無、アレルギーの有無)が異なることがわかり、診断や実臨床に有用な情報が得られることが分かった。更に、治療例では抗体価が減少し、バイオマーカーとしても使用できることが示唆された。②また、自己免疫膵炎患者組織においても、患者IgGはラミニン511とmergeすることから、患者IgGが組織でもラミニン511をターゲットとしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自己免疫性膵炎の抗原についての実験は順調に進んでいるが、自己免疫膵炎以外のIgG4関連疾患、例えばIgG4関連涙腺唾液腺炎やIgG4関連腎疾患患者の抗原の同定がまだできていない。候補となる抗原は出てきているがvalidationできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、自己免疫性膵炎における自己抗体の測定を、臨床応用するため汎用性のある自己抗体測定法を開発する。現在、企業と共同で開発中であり、でき次第、臨床試験を開始する。また、自己免疫性膵炎以外のIgG4関連疾患の抗原を検索、検証していく。これにより、IgG4関連 疾患の診断・病型分類・治療効果判定における有用性を検討することにより新たな診療体系を目指す。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Laminin 511 is a Target Antigen in Autoimmune Pancreatitis2018
Author(s)
Shiokawa M, Kodama Y, Sekiguchi K, Kuwada T, Tomono T, Kuriyama K, Yamazaki H, Morita T, Marui S, Sogabe Y, Kakiuchi N, Matsumori T, Mima A, Nishikawa Y, Ueda T, Tsuda M, Yamauchi Y, Sakuma Y, Maruno T, Uza N, Tsuruyama T, Mimori T, Seno H, Chiba T
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Journal Title
Sci Transl Med
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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