2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J11020
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
渡辺 紘己 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 中心体 / オルガネラ / 超解像顕微鏡 / Cep57 / 多彩異数性モザイク症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
中心体は動物細胞において進化上保存された自己複製する細胞小器官であり微小管形成中心として機能する。中心体はその核として機能する二つの中心小体及びそれを取り囲む中心体マトリックス(PCM)から構成されている。しかしながら、中心体の構築機構は未だに未解明な部分が多い。本研究では、超解像度顕微鏡を用いて中心体構築の根幹原理を明らかにすることが目的である。そこで、中心体複製主要因子であるCep152やPlk4とともに中心体構築に関与することが示唆されていたCep57に着目した。Cep57は多彩異数性モザイク(MVA)症候群の原因遺伝子として報告されていたが、その発症機序や中心体での機能は不明であった。 Cep57の中心体での機能を探るべく、ヒト培養細胞をもちいてCep57発現抑制実験を行った。興味深いことに、分裂期のCep57発現抑制細胞において中心小体の早期分離とPCMの形成異常が認められた。また、分裂期に早期分離した娘中心小体は異所性にPCMを獲得し、微小管形成中心(MTOC)として機能していた。分裂期においてMTOCの活性異常が認められたため、次に、Cep57が染色体分配に与える影響を評価した。予想の通り、Cep57発現抑制では中心小体早期分離と異所性のMTOC活性により、染色体の分配にも異常が認められた。これらの結果は、Cep57がMVA症候群原因遺伝子であるという過去の知見と合致していた。そこで、培養細胞で認められた早期分離などの異常がMVA症候群患者由来の細胞でも認められるかどうかを調べた。その結果、MVA患者由来の細胞でも培養細胞同様の中心小体の早期分離とPCM形成異常が認められた。以上より、 中心小体早期分離とPCM形成異常による染色体分配異常がCep57変異に起因するMVA症候群の発症原因であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、超解像度顕微鏡技術を駆使し中心体構築メカニズムを明らかにすることが目的である。中心体複製主要因子であるCep152やPlk4とともに中心体構築への関与が示唆されていたCep57の中心体での新規機能と疾患発症メカニズムを明らかにできており、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の結果を受けて、Cep57発現抑制による表現系の原因、すなわち、Cep57が具体的にどのように中心体の正常な構築に寄与しているかを調べている。その一端としてCep57の結合因子を探索したところ、Cep57と同様の表現系を示すPCNTという因子を同定した。今後、Cep57とPCNTがどのようにして中心体構築に寄与しているかどうかを検討する予定である。
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