2017 Fiscal Year Annual Research Report
ヴァイマル期における教育アカデミーの研究-新教育運動との関係について-
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17J11196
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤井 利紀 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 教育アカデミー / 新教育運動 / フランクフルト・オーダー / 農村学校実習 / 学外実習改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に次の三つに取り組んた。 一つ目は、フランクフルト・オーダー教育アカデミーの教員養成活動の一つである農村学校実習と新教育運動との関係の検討である。この成果として、中部教育学会第66回大会において口頭発表を行った。さらに、同内容を論文にまとめて、『中部教育学会紀要』第18号に投稿した。査読の結果、掲載される予定である。 二つ目は、キール教育アカデミーの学外実習改革を明らかにし、教員養成所や総合大学とは異なる教育アカデミーの独自性を明らかにすることである。教育アカデミーと新教育運動との関係をみていく際に、教育アカデミーが上記の二つの機関とは異なる新しい大学であったということは重要であるため、こうした課題に取り組んだ。この研究成果として、教育史学会第61回大会で自由研究発表を行った。 三つ目は、今年度の研究課題に関する補足的な史料収集と次年度の研究課題に関連する史料の包括的な調査・収集である。そのために、二月中旬から三月上旬にかけて約3週間の日程でフランクフルト・マイン、フランクフルト・オーダー、ベルリン、ライプツィヒを訪れ、ヴィスバーデンのヘッセン中央州立文書館、ダルムシュタットのヘッセン州立文書館、フランクフルト・オーダー市文書館、ベルリンにある教育史研究図書館、ベルリン州立図書館、ライプツィヒにあるドイツ国立図書館などを訪問し、教育アカデミー、教員養成大学に関連する公文書、私文書や教育雑誌の記事、教育アカデミーの授業一覧表などの収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度取り組んだ二つの研究課題の両方において、研究成果をまとめることができたからである。具体的には、中部教育学会と教育史学会の大会でそれぞれ口頭発表を行うことができ、特にフランクフルト・オーダーの農村学校実習と新教育運動との関係を検討する一つ目の研究課題の成果として、論文が『中部教育学会紀要』第18号に掲載されることが決定している。 さらに、次年度予定している研究課題に関連する史料の一部をすでに収集することができており、来年度の早い時期から史料の分析をすることが可能である。 これらをふまえ、研究成果を上記のように「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、8月もしくは9月の時期に3週間もしくは4週間の日程でドイツに滞在し、公文書館や図書館を訪問し、教育アカデミー、教員養成大学に関連する史料の調査・収集を行う予定である。今年度すでに収集した史料とともに、入手した史料の分析を丁寧に行い、その成果として学会で口頭発表を行う。さらに、論文を執筆し学会誌もしくは研究室紀要に投稿する。
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Research Products
(3 results)