2018 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球の変化と鉄欠乏が循環器疾患に与える影響の解析
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17J11206
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
丸山 慶子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 血栓 / 赤血球容積分布幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、疫学的研究により、赤血球容積分布幅(Red cell distribution width: RDW)が大きいと心不全や脳梗塞、静脈血栓塞栓症等の血栓性疾患の発症リスクが増加すると報告された。赤血球の大きさや膜構造の違いが発症に関わっている可能性があるが、それらが血栓形成に与える影響について詳細に検討されていない。そこで本研究では、RDWと血栓形成の関連に着目し、赤血球の変化が循環器疾患に与える影響を解明することを目的としている。 血栓モデルでの赤血球の解析:野生型マウス(C57BL/6J)の下大静脈を露出し、10%塩化鉄溶液で血管を傷害し血栓を形成させた。手術前、手術5日後、12日後に採血し、RDW等を自動血球計数装置(UniCel DxH800)で測定した。塩化鉄傷害モデルでは、5日後、12日後ともにRDWが増加傾向を示した。しかしながら、採血手技による影響も排除できないので、今後、n数を増やす、もしくは採血方法を改善する必要があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血栓モデルマウスでの赤血球の解析を行うことができたが、手技等の改善を図る必要があるかもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
比重分離した赤血球の解析:週齢の異なるマウスより採取した赤血球をパーコール液を用いて比重分離する。分離した赤血球のトロンビン生成能、ホスファチジルセリン露出赤血球数等を測定する。 妊娠期母体鉄欠乏が循環器疾患に与える影響の解明:野生型雌マウスに、交配4週間前から離乳期まで(全期群)、妊娠前期のみ(前期群)、妊娠後期のみ(後期群)に鉄欠乏餌を与え、3群の鉄欠乏妊娠マウスを作製する。離乳後、仔マウスに通常食を与え、幼少期あるいは青年期まで発育させ、幼少期および青年期でのRDWや赤血球膜組成、トロンビン合成能等を評価する。
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