2018 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光に応答する一酸化炭素放出鉄錯体の合成とタンパク質との複合化
Project/Area Number |
17J11464
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中江 豊崇 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
|
Keywords | 一酸化炭素放出分子 / 近赤外光 / 鉄錯体 / ホスフィン配位子 / pH応答性 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、一酸化炭素(CO)が示す生理活性の医学・生物学への応用が期待されており、生体適合性の高いCO放出分子(CORM)の開発が急務である。 平成30年度は生体適合性の高いCORMの開発を目指し、プロトン受容部位を有するリン配位子をもつ鉄(III)錯体を新たに設計・合成し、酸存在下および非存在下における光応答性CO放出能について検討した。その結果、以下の研究成果を得た。 (1)リン配位子上のプロトン受容部位のプロトン化/脱プロトン化によって鉄(III)錯体における中心金属の電子密度を変化させることができ、鉄-CO結合強度を変化させることができることが明らかとなった。 (2) プロトン付加後の鉄(III)錯体において、Fe-CO結合が弱まることにより、近赤外光に応答する光応答CO解離能を示すことが明らかになった。これは昨年度までに開発したホスファイト配位子を有する鉄(III)錯体におけるCO脱離の近赤外光応答性の賦与について提案した機構を支持する。 (3) 以上の結果から錯体からの光CO脱離の波長依存性をpHで制御できる可能性が示唆された。用いたリン配位子の共役酸の酸解離定数の対数値pKaは6程度であり、これは正常細胞と病変細胞の酸性度(それぞれのpHは約7および5)の中間程度に相当する。ここから、近赤外光照射によって正常細胞内ではCO放出せず病変細胞においてのみCO放出可能なCORMの開発につながることが期待される。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)