2017 Fiscal Year Annual Research Report
難治性肺疾患研究のパラダイムシフト 代謝-肺連関に着目した新規分子基盤の確立"
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17J11629
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
野原 寛文 熊本大学, 薬学教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | COPD / IGF-1 / インスリン抵抗性 / 肺気腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで採用者は,本分野が確立した, 安定した粘液貯留および肺気腫病態を呈する低致死率βENaC-Tgマウスを用い, 高脂肪食(HFD)誘導性の2型糖尿病の併発が遊離脂肪酸を介して, 肺組織で直接的にインスリン抵抗性を誘導することでCOPD病態を増悪させるという新規性の高い知見を示唆した. 今年度は、薬剤誘導性COPDモデルであるElastase経肺投与モデルに HFD負荷を行い, COPD病態を評価し、この新規COPD増悪機構の一般化を目指した(1).また、肺組織インスリン抵抗性におけるIGF-1の関与を証明するためにIGF-1 受容体阻害剤の投与実験を行った(2). (1)今回、薬剤誘導性COPDモデルであるElastase経肺投与モデルを用い、 HFD負荷を行い, COPD病態を評価した.組織学的解析を行った結果、Elastase投与マウスでもこれまでのCOPDモデルと同様に、HFD負荷によって肺気腫病態の増悪と肺組織におけるアポトーシス促進が認められた.本検討によって、別モデルを用いた検討においても肺組織インスリン抵抗性の存在が示唆され、本メカニズムの信憑性が高まった. (2)IGF-1によるCOPD病態保護効果についてβENaC-TgマウスおよびElastase投与マウスの両COPDモデルマウスに対してIGF-1 受容体阻害剤 (Picropodophyllin) を1日1回で2週間に渡り経肺投与し, 上記と同様なCOPD病態評価を行うことで検討を行った.組織学的解析を行った結果、両COPDモデルマウスにおいて一貫して、IGF-1受容体阻害剤投与によって肺気腫病態の増悪と肺組織におけるアポトーシス促進が認められた.本検討によって、IGF-1がCOPD病態に対し保護的に働くことを世界で初めて証明することができた.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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