2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17J30010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志甫谷 渉 東京大学, 理学系研究科生物科学専攻生物化学講座構造生命科学研究室, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | GPCR / エンドセリン受容体 / X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
エンドセリン受容体拮抗薬は、今日までボセンタンを基に開発が進められている。そのため、エンドセリン受容体拮抗薬はみな類似した化合物骨格であり、多様性が少ない。薬理作用は化合物骨格に強く依存するため、エンドセリン受容体拮抗薬のさらなる臨床応用のためには化合物空間の拡張が必要である。ボセンタンとは異なる化合物骨格を持つ拮抗薬に、IRL2500というものがある。IRL2500はエンドセリンのC末端の一部を模倣して作られた拮抗薬であり、ボセンタンとは大きく異なっている。我々は、IRL2500の結合様式を理解できれば、ボセンタン以外にも受容体を阻害し得る化合物骨格が同定できると考え、IRL2500結合型のエンドセリン受容体B型の構造を決定した。IRL2500はET-1とは全く異なる結合様式であった。IRL2500はボセンタンと同様に受容体の正電荷を持つアミノ酸と相互作用していたものの、IRL2500は受容体の結合ポケットのより深い位置で相互作用しており、強固に不活性化状態を固定していた。このことから我々は、IRL2500が単なる拮抗薬ではなく受容体の恒常的な活性をも抑制する、逆作動薬ではないかと考えた。機能解析を試みた結果、IRL2500が逆作動薬であることを解明した。 PAC1受容体はクラスB GPCRの一種であり、PACAP を受容する。PAC1受容体は中枢神経系および末梢組織に広く存在しており、様々な機能を有している。我々はクライオ電子顕微鏡を用いてPACAPリガンド、ヒト由来PAC1受容体、Gsタンパク質三量体からなるシグナル伝達複合体の立体構造を原子分解能で決定した。これにより、PACAPリガンドの認識機構と活性化した受容体によるシグナル伝達メカニズムを解明した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)