2018 Fiscal Year Annual Research Report
対面相互行為分析による野生チンパンジー社会のエスノメソッドの解明
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17J40059
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西江 仁徳 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2017-07-03 – 2021-03-31
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Keywords | 相互行為 / チンパンジー / 文化 / 社会 / エスノメソドロジー / ジェスチャー |
Outline of Annual Research Achievements |
タンザニア・マハレの野生チンパンジーを対象に、2018年8月の約1か月間フィールド調査を実施し、「リーフクリップ」や「パントグラント」を中心に行動データを収集した。個体追跡による連続記録とアドリブサンプリングを併用し、記録方法はフィールドノートへの筆記とビデオカメラによる撮影を併用しておこなった。「リーフクリップ」についてのデータの分析結果を文化人類学者や動物行動学者、会話分析研究者との共同研究会で2018年10月に発表し、2019年度中に出版予定の成果論集に寄稿する予定である。野生チンパンジーのオスの長期単独生活についての論文を、文化人類学者や生態人類学者との共同研究の成果出版の英語論集に出版・公表された。また、2018年の調査時に観察した、ヒョウによるチンパンジー母子の狩猟未遂事例について報告を執筆し、英文学術誌から公表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は子の出産にともなって約3ヶ月の研究中断を余儀なくされたが、タンザニアでのフィールド調査を約1か月実施し、データの収集を進めることができ、また、英語論集への寄稿論文や、稀な観察事例の報告なども出版できた。データの分析や今後の出版方針もめどがたってきており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
育児のため長期の野外調査が難しい状況であるが、可能な限りフィールドでのデータ収集を進めたい。ただこれまで蓄積してきた動画データも豊富にあるので、データの上積みが困難であっても、分析と論文執筆は進めることができると考えている。2019年度は、共同研究の成果出版にリーフクリップの分析結果を寄稿する予定になっており、これと並行して長期データの分析結果も国際学術誌に投稿する予定である。
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