2017 Fiscal Year Annual Research Report
神経免疫サイクルに着目した皮膚アレルギー疾患の病態解明
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17J40158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中嶋 千紗 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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Keywords | 末梢神経 / アレルギー性接触皮膚炎 / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)アレルギー性接触皮膚炎における末梢神経の役割 上述のマウス除神経モデルを作成し、オキサゾロン(OX)というハプテンを用いアレルギー性接触皮膚炎を実施した。RTXによる除神経を実施したマウスでは、アレルギー性接触皮膚炎による耳介腫脹の減弱と、組織学的に炎症細胞浸潤の低下が認められた。また、皮膚内に浸潤するT細胞やCD45陽性細胞数も、除神経群において減弱していた。耳介におけるIFNgのmRNAの発現も、除神経群で低下していた。 さらに、異なるハプテンとし、DNFBやFITCを塗布した場合も同様にアレルギー性接触皮膚炎による耳介腫脹の減弱を認めた。外科的除神経処置を実施した群においても同様に、耳介腫脹の減弱を認めた。以上より、皮膚内末梢神経が、アレルギー性接触皮膚炎の病態形成に関与していることが示唆された。 (2)アレルギー性接触皮膚炎の感作相における末梢神経の役割 続いて、これらの皮膚末梢神経の作用がアレルギー性接触皮膚炎の感作相と惹起相のどちらで主に働いているのかを検討するため、養子移入を用いて実験した。野生型マウスを感作し(ドナー:E)所属リンパ節を回収し、野生型マウス(レシピエント:E)や除神経マウス(レシピエント:R)に移入したのちに、再度オキサゾロンによる惹起を実施した場合、耳介腫脹に差はみられなかった。一方で、除神経マウスを感作し(ドナー:R)、同様に野生型(レシピエント:E)、もしくは除神経群(レシピエント:R)に移入した場合どちらも、耳介腫脹の減弱を認めた。以上より、皮膚末梢神経はアレルギー性接触皮膚炎の感作相で働いていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスを用いた実験を中心に実施しているが、除神経モデル等手技として確立するのに、時間要した部分があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
除神経マウスモデルにおけるアレルギー性接触皮膚炎の低下に関係する細胞を、ノックアウトマウス等を用いて具体的に証明していく予定である。また二光子励起顕微鏡を用いた研究もすすめていく。
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Research Products
(2 results)