2019 Fiscal Year Annual Research Report
神経免疫サイクルに着目した皮膚アレルギー疾患の病態解明
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17J40158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中嶋 千紗 京都大学, 京都大学大学院 医学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2021-03-31
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Keywords | 末梢神経 / アレルギー性接触皮膚炎 / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
・アレルギー性接触皮膚炎の感作相における末梢神経の役割 前年度までに、除神経モデルマウス群では、アレルギー性接触皮膚炎による耳介腫脹の減弱や皮膚局所への浸潤細胞数の低下、サイトカイン産生の減弱を認めた。さらに、養子移入を用いた実験により、皮膚末梢神経がアレルギー性接触皮膚炎の感作相で主に働いており、真皮樹状細胞の所属リンパ節への遊走に影響を与えていることが分かった。 そこで、末梢神経が出すさまざまな神経ペプチドや成長因子が真皮樹状細胞の遊走に影響を与えている可能性を考え、脊髄後根神経節(DRG)を回収し、さまざまな神経ペプチドや成長因子の発現を比較した。その結果、サブスタンスPと下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide、PACAP)の発現が除神経モデルマウス群のDRGで発現低下していた。さらにPACAPを除神経モデルマウス群に投与することで、耳介腫脹の減弱が回復することも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスを用いた実験を主に行っており、樹状細胞の動向に関わるメカニズムを明らかにするところが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
脊髄後根神経節細胞(DRG)を用いて、PACAPなどの神経ペプチドが樹状細胞の動向にどのようなメカニズムで影響を与えているのかを、In vitroも含めた解析をすすめる。
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