2017 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲脳刺激を用いた脳可塑性の促進とその個体差の解明
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17J40162
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
疋島(笠原) 和美 沖縄科学技術大学院大学, 神経計算ユニット, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2017-10-02 – 2022-03-31
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Keywords | ブレイン・マシン・インターフェイス / ブレイン・コンピューター・インターフェイス / 経頭蓋直流電気刺激 / 運動学習 / リハビリテーション / functional MRI / diffusion MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、磁気共鳴画像法(MRI)や脳波による脳イメージング等を用いて、非侵襲脳刺激やブレイン・マシン・インターフェイス(Brain Machine Interface: BMI)などの介入が脳機能や神経回路をどのように変化させるか、解明することである。 本研究では、マウスの運動学習中に促進効果が期待される陽極刺激を試行し、白質構造変化を捕らえる拡散画像、灰白質容積を評価するVoxel-based morphometry解析、脳機能連絡を評価するresting state functional connectivity 解析等、最先端のMRI技術や脳波計測を組み合わせ、経頭蓋直流電気刺激による促進効果のメカニズムを明らかにする。これらの実験により経頭蓋直流電気刺激の学習促進効果のメカニズムを理解し、将来的な「テーラーメイド脳刺激リハビリテーション法」の開発につなげることを目的とする。本年度は、本研究の基礎となる運動学習が1月に終了し、経頭蓋直流電気刺激の実験に取り掛かっている。現在は、陽極刺激を行う刺激電極を取り付ける外科手術や刺激条件を検討している。次年度は、学習中に陽極刺激を実施することで、刺激位置や刺激時間などを調整し、最適な刺激条件を決定する予定である。 BMIは、病気や怪我により障害された運動機能を補う新しい“神経補綴技術”である。近年、運動機能障害におけるリハビリテーションにBMIを併用することで、治療効果が促進することが報告され、臨床応用への期待が高まっている。申請者は、臨床への展開として運動機能障害を呈するパーキンソン病患者にBMIを応用した症例を実施し、ドパミン前駆物質のL-dopaを服用した時の方が、服用しなかった時に比べ有意にBMIを操作できたことを発見した。この結果は、Brain-Computer Interfaces誌に論文として採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成30年2月より産休により研究を中断しているため、平成29年10月から翌1月までの4ヶ月という短い研究期間であったが、当初の計画より進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、産休明け平成30年6月からの研究再開支援期間、8月からの本格的な再開後、さらに実験を進めていく予定である。9月に予定されている学会発表、現在投稿中の論文など研究成果を素早く公開していきたい。
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Research Products
(1 results)