2018 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔地から乳幼児とふれあえるテレ保育ロボットを用いた遊び成立支援システムの検討
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17J40236
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
阿部 香澄 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(RPD) (50800249)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2021-03-31
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Keywords | ヒューマンロボットインタラクション / 子ども / 遊び / 保育ロボティクス / パーソナリティ / 子育て支援 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、離れた場所から子どもと遊べるテレ保育ロボットを介した、遊び成立支援システムの実現である。子どもとの遊びの成立は、子どもの振る舞いからの性格推定や、その子にあった効果的な遊び判断など、遊びの経験と知識が関わる実は難しい課題である。本システムによって、遊びの経験や技量に依らずに誰でも子どもとの遊びを成立できるよう支援することを目指す。 当該年度は、テレ保育ロボットを介して乳幼児と遊ぶバリエーションを増やす遊びのモジュール=「遊び辞書」の実装、実装したテレ保育ロボットを使った対子どもインタラクションデータの収集、振る舞いからの気質推定、を行った。まず、前年度に実施した大人が乳幼児との遊びを成立させるための要因分析を受けて、「遊び辞書」機能という形でテレ保育ロボットへ遊びモジュールの実装を行った。遊び辞書は、3歳ごろの乳幼児に適した遊びができる、複数の遊びモジュールで構成される。次に、遊びモジュールを実装したテレ保育ロボットを使った対子どものインタラクションデータ収集を実施した。遊び成立支援システムを実現するにあたり、遊び成立に関わる遊び動作と子どもの状態の関係性をモデル化した遊び推定モデルを作成する。そのために必要な振る舞い等のデータを、約30組の1~4歳の乳幼児親子と保育士が参加する実験を行い、収集した。最後に、振る舞いからの気質推定を行った。人間のパーソナリティは生得的な“気質”と環境因子の“性格”で構成され、小さい乳幼児は気質の割合が高いと言われている。前述のインタラクション実験のデータを使い、子どもの振る舞い特徴量から気質6尺度(2値)を6~8割の精度で推定できた。 これらの成果を、国内学会で発表し、遊びモジュールの実装に関する特許の出願を行った。さらに、当ロボットに関する3件の招待講演と7件の取材に対応し、研究成果の積極的な社会還元を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度までの研究は予定通り進展している。具体的には、計画していた遊び機能のロボットへの実装、対人実験での約30組ものデータ収集を完了した上で、さらに乳幼児の振る舞いからの気質推定も実現しており、出産に伴う研究中断後としてみれば、非常に順調な進展具合である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、遊び成立に関わる遊び動作の関係性のモデル化と、遊び支援システムの実装、システムの評価を進める。
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Research Products
(8 results)