2019 Fiscal Year Research-status Report
効率的な最大および極大クリーク抽出アルゴリズムの開発と応用
Project/Area Number |
17K00006
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
富田 悦次 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (40016598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若月 光夫 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (30251705)
西野 哲朗 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10198484)
伊藤 大雄 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50283487)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 極大クリーク / 最大クリーク / 列挙 / 深さ優先探索 / アルゴリズム / 時間計算量 / 遅延 / 多項式時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
最大クリークを効率良く抽出する問題に対して,極大クリークを効率よく全列挙する問題も理論的,実用的に非常に重要な課題である.この列挙問題については,先に,最大クリーク抽出アルゴリズムを基とした深さ優先探索アルゴリズムを開発し,その最大時間計算量が,節点数nのグラフについてO (3^{n/3})であり,かつ節点数をパラメータとした場合にはそれが最適で,それ以上には改善出来ないことを証明した.ところで,対象グラフ中の極大クリークの個数が少ない場合には一般的に総実行時間は少なくて済むことが実験的に知られており,その様な実験事実を反映するような時間計算量評価も望まれる.ところがその様な評価は非常に困難であり,これまで未解決問題として残されていた.本研究ではこの未解決問題に切り込み,その解決の端緒を開いた.即ち,先ず探索課程を表す探索木の性質について詳しく調べ,その結果より極大クリーク1個当たりの探索木のサイズの上界を求めた.それを基にして,最終的に全極大クリークを列挙するために必要な時間計算量を,全極大クリーク数をパラメータとして表すことに成功した.また,最大クリークサイズが全節点数の対数オーダである場合には,極大クリーク出力は多項式時間遅延となることも証明した.これは,疎なグラフにおいては極大クリーク全列挙が比較的高速に行えるとの実験的によく知られた事実を,理論的に支える一端ともなるものである. なお,一般的な場合において出力は多項式時間遅延とはならないことを,具体例を挙げることにより明らかとした. 以上において場合分け解析は膨大なものとなり,解析が非常に困難となる.そこで理論解析途中においてもコンピュータを最大限有効に活用し,人間―機械協調体制の下で解析を正確に効率よく進められるようにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深さ優先探索方式による極大クリーク全列挙問題において,その時間計算量を全極大クリーク数をパラメータとして表すことは長年の未解決問題であった.それに対して本研究では,その解決の端緒を切り開く結果を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
極大クリーク全列挙問題に対する時間計算量評価を,より詳細化して仕上げる.また,最大クリーク抽出アルゴリズムを一掃に高速化する.
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Causes of Carryover |
イタリアのピサ大学との共同研究が予想以上に発展し,更に来年度も共同研究を継続することとした.このため,来年度研究費確保のために,今年度研究費を最大限節約して来年度にまわすこととした.
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Research Products
(9 results)