2020 Fiscal Year Research-status Report
効率的な最大および極大クリーク抽出アルゴリズムの開発と応用
Project/Area Number |
17K00006
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
富田 悦次 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (40016598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若月 光夫 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (30251705)
西野 哲朗 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10198484)
伊藤 大雄 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50283487)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 最大クリーク / 極大クリーク / 深さ優先探索 / 分枝限定 / アルゴリズム / 列挙 / 近似アルゴリズム / 時間計算量 |
Outline of Annual Research Achievements |
最大クリーク厳密解抽出の分枝限定アルゴリズムに対するこれまでの研究により,最大クリークの近似解が非常に有効に活用出来ることを明らかにしてきている.その近似精度が良くなれば分枝限定はより有効に働く.しかし,近似解抽出のために時間を要すると,総実行時間としては必ずしも短縮とはならず,近似精度と時間との兼ね合いが重要となる.そこで先ず,最大クリーク近似解の抽出を一層高速化し,その上で精度を向上させることにより,総合的に最大クリーク厳密解抽出を効率化した. 続いて,分枝限定のために近似彩色だけでなくMaxSATも用いることにより分枝限定がより強力化されることをこれまでに確認してきたが,MaxSATあるいはその簡略形実行のためのオーバーヘッドの大きさが最大クリーク厳密解抽出総実行時間短縮の妨げとなっていた.これに対しては,MaxSATの簡略形と従来提唱してきていた再番号付け(再彩色)との類似性に着目して両者を融合させることにより,これまでよりも少ないオーバーヘッドによって,有効な分枝限定効果を発揮出来るようにした.さらに,分枝限定アルゴリズムの内部動作は入力グラフの特徴に応じて効率が左右されるため,出来る限り効率がより発揮されるようにと内部動作を適応的に切り替えるようにした. 以上を総合することにより,最大クリーク厳密解抽出のための従来の分枝限定アルゴリズムを有意に高速化することに成功した. このような最大クリーク厳密解抽出アルゴリズムは,容易に最大クリーク全列挙アルゴリズムへと拡張出来る.これにより,符号理論における最良な多元単一削除訂正符号の構成に関しての新たな知見を得ることが出来た. 極大クリーク全列挙問題についてもさらに理論的,実験的に検討を続け,有効な進展結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大クリーク抽出アルゴリズムの有意な高速化を達成し,その応用結果を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
最大クリーク抽出アルゴリズを一層に高速化し,その応用を図る. 極大クリーク全列挙アルゴリズムに関してもさらに理論的,実験的に検討を進め,両者を統合した新たな成果を得る.
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Causes of Carryover |
最大クリーク抽出,および極大クリーク全列挙問題の両者において,今年度の研究において更なる進展の手がかりを得た.従って,来年度研究費確保のために,今年度研究費を最大限節約して,来年度にまわすこととした.
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Research Products
(9 results)