2018 Fiscal Year Research-status Report
Information Theory for Spin Glasses
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17K00009
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
村山 立人 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 講師 (80360650)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スピングラス / 磁性体 / 平均場近似 / 情報理論 / 不可逆圧縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スピングラスと呼ばれる磁性体の平衡状態が、データ圧縮過程を定義する方程式系の解として記述できる事実に注目している。そして、シャノンの情報理論に基づいた新しい分析枠組を提唱し、古典的な統計物理学のアプローチと統合することで、数値的な検証が難しいスピングラスの非自明な性質を厳密評価の立場で解明するのが目的である。本年度は、情報理論に基づく物性解析の新しい手法について、その基本的な原理を確立し、計算機による大規模な検証実験を実施した。新しく開発した手法は、それが適用できる磁性体の種類・構造等に強い制約が認められるが、数学的には非常に洗練された手法となっており、基礎研究の結果として重要な報告になると考えられる。本研究が提案する代数的な立場による分析技術は、これまでの統計物理学で常套手段としてみなされてきた解析的な立場による分析技術と相補的な関係を築くことが予想される。その結果、新しい磁性体を設計するときなどに、より高い精度でその物性を予測することが可能になると期待できる。尚、新しく開発した分析技術の本格的な誤差解析は実施していないが、研究計画が今後も順調に推移した場合は、こちらについても理論的な評価をできないか検討したいと考えている。ただし、当初の研究計画で提案していた再帰的な分析枠組の構築については、数学的に困難な状況であることが判明しており、この方向での検討は中止する見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予想した内容で研究成果が得られており、研究計画としては、おおむね順調に進展していると考えている。特に、本研究の理論的予想が計算機実験で検証できているのは安心材料となっている。ただし、研究計画の一部には数学的に困難な問題が含まれていることが判明しており、若干の修正は余儀なくされている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究で開発した磁性体の代数的解析技術を、物理学分野の学術誌に発表する段階になる。また、研究成果の報告後は、関連する学会・研究会などで専門家との議論を重ねていくことで、研究成果の妥当性についても再検証していく。尚、本研究で開発した統計物理学のための手法は、情報理論が対象とする諸課題にも有用であることが予想されるので、新しい研究計画のシーズとして検討していきたい。
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Research Products
(2 results)