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2021 Fiscal Year Research-status Report

離散最適化に対する固定パラメータアルゴリズムの深化:多項式時間FPTと実用化

Research Project

Project/Area Number 17K00017
Research InstitutionOsaka Prefecture University

Principal Investigator

宇野 裕之  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60244670)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2023-03-31
Keywords固定パラメータアルゴリズム / 固定パラメータ容易性 / ネットワーク解析 / ネットワーク中心性
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,理論計算機科学における計算複雑さおよびアルゴリズム理論の分野で急速な進展を遂げているパラメータ化計算という枠組みのもとで,離散最適化に対する効率的なアルゴリズムの設計技法として確立しつつある固定パラメータアルゴリズム理論を扱っている.その理論がもつ,何らかの特徴をもつ実データに対してアルゴリズムを高速に動作させるという理念に鑑み,理論的な成果を挙げると同時に固定パラメータアルゴリズム研究を実用化の段階へ推し進めることを目的とする.本研究は,当初設定した研究期間を経過したが,コロナ感染症による進捗の遅れから研究機関を延長した.5年度目である令和3年度は,前年度までの方針を踏襲し,いくつかの理論的な成果を得るとともに実用的な方向への挑戦を開拓した.
具体的には,まずはじめに理論面からは,Double-Threshold Graph と命名したグラフの認識問題に対して多項式時間アルゴリズムを設計した.このことは,それに類似したグラフの認識の固定パラメータアルゴリズムの手掛かりになる可能性がある.実用的な方向では,ネットワーク解析分野で頻出するネットワーク中心性を厳密に計算する問題を継続して扱い,なかでも最も重要である頂点媒介中心性に対するアルゴリズムの実装の高速化を試みた.その結果,分解構造が顕著なネットワークに対してはその計算量を劇的に削減することに成功した.
さらには,固定パラメータアルゴリズム分野で基本的な問題の一つであるグラフ燃焼問題に対する固定パラメータアルゴリズムを実装し,実ネットワークを入力としたときに有効となるカーネル化や有界探索木などの手法を検証した.これは今後,入力データの性質や特徴を踏まえて固定パラメータアルゴリズムを使い分ける新たなアプローチを示唆する可能性があり,そのような方向も見据えて研究を推進している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究は,理論計算機科学における計算複雑さおよびアルゴリズム理論の分野で急速な進展を遂げているパラメータ化計算を扱い,理論的な成果を挙げると同時に固定パラメータアルゴリズム研究を実用化の段階へと推し進めることを目指している.延長1年度目(通算5年度目)である令和3年度は,新たにいくつかの基本的な問題に対する理論的に重要な結果を得るとともに,それらにより得られた知見をもとに新しい問題に対するパラメータ化高速計算アルゴリズムの提案や実装に着手し推し進めることができた.またグラフ燃焼問題やその変種に対する固定パラメータアルゴリズムの開発などを実施した.
一方で令和3年度は,年間を通して新型コロナウイルスの影響を引き続き大きく受け,予定していた多くの出張予定がキャンセルとなり,予定していた研究打合せの機会を失うこととなった.また,研究発表などの活動の場が損なわれることになり,その進捗状況は当初の予定よりやや遅れることを余儀なくされている.

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルスの影響で進捗がやや遅れていることに鑑み,本研究は計画期間の再延長を申請し承認された.そのうえで計画の6年度目は,学生の助力も得ることによりこれまでに得られた成果の実装を強化する.とくに,固定パラメータアルゴリズム分野では代表的かつ基本的な問題である頂点被覆問題については,実ネットワークに対してその問題を解くアルゴリズムを適用する際には,さまざまな新しい問題や挑戦すべき課題が存在することが明らかになったので,その方向に研究を推進していきたい.また,昨年度あらたに着手したグラフ燃焼問題については,アイデアはあるものの未実装のものがあり,これ
らの実装も並行して行う予定である.これらと同時に5年度目までの理論的な研究も継続する.これらと同時に5年度目までの理論的な研究も継続する.たとえば,グラフ認識問題のような個別の重要問題に対して,それを容易にするパラメータの獲得と選択にも挑戦する.とくに,treedepth と呼ばれるパラメータには引き続き注目しており,このパラメータの性質そのものや,このパラメータを利用した効率的な固定パラメータアルゴリズムの考案や設計を目指す.

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの影響で,複数回の海外出張を含めて当初予定していた多くの出張がキャンセルとなった.またそれらに連動して支出予定であった物品の購入についても滞りが生じた.新年度が始まっても多大な影響が継続しているため,支出困難な状況も継続する可能性がある.

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Linear-Time Recognition of Double-Threshold Graphs2022

    • Author(s)
      Yusuke Kobayashi, Yoshio Okamoto, Yota Otachi, Yushi Uno
    • Journal Title

      Algorithmica 84(4): 1163-1181 (2022)

      Volume: 84 Pages: 1163-1181

    • DOI

      10.1007/s00453-021-00921-9

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Efficient Computation of Betweenness Centrality by Graph Decompositions and Their Applications to Real-World Networks2022

    • Author(s)
      Tatsuya INOHA, Kunihiko SADAKANE, Yushi UNO, Yuma YONEBAYASHI
    • Journal Title

      IEICE Transactions

      Volume: E105-D3 Pages: 451-458

    • DOI

      10.1587/transinf.2021FCP0003

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2022-12-28  

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