2017 Fiscal Year Research-status Report
離散最適化における新しい離散凸性の開拓とそれに基づく高性能アルゴリズム開発
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17K00029
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 広志 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (20378962)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 離散凸解析 / 劣モジュラ最適化 / 多項式時間アルゴリズム / 代数的アルゴリズム / CAT(0)空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題において重要な位置を占めるベクトル部分空間のなす無限モジュラ束上の劣モジュラ最適化問題である最大消滅部分空間問題(MVSP)の最適値は,線形変数行列の非可換ランクと呼ばれるものと一致することがわかった.非可換ランクに関しては,近年重要な結果が得られており,これらをサーベイし,理解に努めた. パフィアンから符号を除いて定義されるハフニアンを固定されたkに対しmodulo 2^kで計算する多項式時間アルゴリズムを開発し,これを用いてあるクラスの最短長点素パス問題に対し多項式時間アルゴリズムを与えた.この結果をまとめた論文"Shortest (A+B)-path packing via hafnian"(難波博之との共著)がAlgorithmica誌にアクセプトされた.メディアングラフを一般化した弱モジュラグラフと呼ばれる広大なグラフクラスと非正曲率空間の関連を論じた論文"Weakly modular graphs and nonpositive curvature"(V. Chepoi, J. Chalopin, D. Osajdaとの共著)がMemoirs of AMS誌にアクセプトされた.ランクが1のブロックからなる分割行列のDM分解を計算する多項式時間アルゴリズムを与えた論文"Computing DM-decomposition of a partitioned matrix with rank-1 blocks"がLinear Algebra and Its Applications誌に採択された.解説文「CAT(0)空間上のアルゴリズムと最適化について」が電子情報通信学会誌に採録された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文も順調に執筆し,出版されているので,順調であるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度明らかになったMVSPと非可換ランクとの関連を理解・習得につとめる.非可換ランク計算のアルゴリズムを行列式の次数計算へと一般化する.これに関連する離散凸関数について考察し,必要なら新しく導入する.
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Causes of Carryover |
587円余ったのは,使い切る予定であったが軽微な手違いをしてしまったためで,今年度の文具の補充にあてる.
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Research Products
(9 results)