2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K00036
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
永野 清仁 群馬大学, 社会情報学部, 准教授 (20515176)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 劣モジュラ最適化 / 人工知能 / 機械学習 / 組合せ最適化 / ネットワーク最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
たくさんの候補の中から最もよいものを見つけることを「最適化」とよぶ.本研究は最適化,特に離散的な最適化の理論研究とその人工知能技術への応用研究をテーマとする.人間関係やインターネット道路網など,世の中の様々なデータは ネットワークの形で扱うことができる.ネットワークのような離散的なデータに関する最適化は様々な分野において現れ,理論・応用の両面において基本的な研究対象である.本研究では,ネットワーク最適化やその一般化に対応する離散凸最適化(劣モジュラ最適化)を中心的に取り扱っている.
連続的な変数を扱う連続最適化においては凸関数の最小化は扱いやすく,効率的に最適解が計算可能である.本研究ではネットワークのような離散構造を扱う離散最適化(または組合せ最適化),特に離散世界における凸最適化といえる劣モジュラ関数に関する最適化やその周辺手法に基づいたネットワーク最適化など手法を中心に研究に取り組んでいる.最適化理論研究に加えて,機械学習などの人工知能技術への離散凸最適化の応用研究を中心的なテーマとする.
平成29年度,本研究において主に取り扱ったのは,劣モジュラ関数の一般化に対応する概念である,劣加法的関数である.我々は劣加法的関数の最適化の理論的解析と,その人工知能関連分野への応用研究に取り組んだ.人工知能分野のマルチロボットルーティング問題等は劣加法的関数に関する最適化問題として帰着することができる.本研究では劣加法的関数の最適化問題の難しさの解析や,劣加法的関数の負荷分散問題に対するアルゴリズムの提案,および提案手法の計算機実験などに取り組んだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の核となるのは離散凸性の概念である.実数値をとる連続変数を扱う連続最適化では,関数の凸性は最小化問題の扱いやすさを意味する.整数格子点のような離散領域上の凸性と対応する概念として劣モジュラ関数がある.機械学習分野における劣モジュラ最適化とその重要性・有用性は広く認識されつつある.
平成29年度,本研究において中心的に取り組んだテーマは,劣モジュラ関数の一般化に対応する,劣加法的関数に関する最適化の理論的解析とその人工知能関連分野への応用である.この劣加法的関数に関する最適化問題は応用として,人工知能分野のマルチロボットルーティング問題等を含む重要なクラスの問題である.劣加法的関数の最適化は離散最適化理論においてこれまであまり扱われてこなかった問題であり,理論的側面のみならず人工知能分野などを中心とした応用面も含めて今後の広がりを期待できる研究対象といえる.劣加法的関数の最適化の理論的な扱いやすさ(扱いにくさ)の解析や,劣加法的関数の負荷分散問題に対するアルゴリズムの提案などの成果をまとめた.また,さらなる問題の難しさの解析やアルゴリズムの最適値の下界評価などを含めて国際会議へ論文を投稿中である.
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Strategy for Future Research Activity |
劣モジュラ関数を一般化した劣加法的関数に対するこれまでの研究の発展として,マルチエージェントシステムへのさらなる応用研究がある.離散凸最適化理論を用いた解析において,より実際的なルーティング問題(デマンドバス最適化問題など)で必要な制約を考慮した最適化は非常に意義深い課題である. また離散凸性やネットワーク最適化の人工知能分野への応用として,データ分類(クラスタリング)手法やネットワークデータ解析のアルゴリズム設計への取り組みが課題重要な課題である.離散凸解析や双劣モジュラ関数の理論のような,これまで応用が十分にされてこなかった理論の人工知能分野への応用の可能性についても検討する. 最適化理論の中心課題としては,劣モジュラ関数や劣加法的関数,離散凸解析などの理論研究の発展と,ビッグデータへの適用のためのアルゴリズムの高速化と安定化に取り組みが肝要である.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは,予定していた海外出張に参加できなかったことが大きな理由である.平成30年度は,その分の海外出張への参加を当初の計画に追加することを予定している.
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Research Products
(1 results)