2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K00038
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
今堀 慎治 中央大学, 理工学部, 教授 (90396789)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 数理情報 / アルゴリズム / 数理工学 / 組合せ最適化 / 配置問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
配置問題とは、いくつかの対象物を互いに重ならないように、与えられた領域内に配置する問題である。この問題は実社会に多くの応用を持つが、汎用的な最適化ツールでの解決は非常に困難と考えられている。このため、研究代表者らは、これまでに様々なバリエーションをもつ配置問題に対して、多くの実用的なアルゴリズムを提案してきた。本研究課題では、配置問題に対する新たなアルゴリズムの設計を行うことと、配置問題に対する既存のアルゴリズムを、他の問題(異なる目的や制約条件を持つ配置問題や、配送計画、スケジューリングなどの組合せ最適化問題)に活用し、その方法論を確立することを目的として研究をすすめている(研究期間は平成29年度からの4年間である)。 令和二年度は、以下に示す2つの課題に対する研究を行った。 1つ目は、同一の形状で平面を埋め尽くすタイリングに関する最適化問題(エッシャー風タイリング問題)に対して、解の評価関数の再設定ならびに効率的な最適化手法の設計に関する研究を行った。本研究課題(エッシャー風タイリング問題)に関連した研究成果はこれまでに学術論文や国際会議論文として報告しているが、最新の結果を国際的な論文誌に投稿中である。 2つ目の研究は、長方形領域のギアボックスに動力源および回転方向の定められた複数のギアが配置された状況において、できるだけ少ない数のギアを追加することで動力源の回転を与えられたギアに伝える問題(ギア配置問題と呼ぶ)を提案し、この問題の計算困難性を示した。この結果は英文論文誌に投稿し、すでに出版済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和二年度が当初予定では最終年度であったが、1年間の研究期間延長を申請した。その理由として、研究の進展についてはおおむね当初の予定通りであるが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う国内外の学会の中止や延期があったため、国際会議や国内研究会における研究成果の発表を当初の予定通り行うことが出来なかったことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和二年度が当初予定では最終年度であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のために、研究発表等を当初予定通り行うことができなかったため、1年間の研究期間延長を申請した。令和三年度も国内外の情勢はいまだ不透明であるが、すでに研究成果の出ている内容を国際会議や国内研究会で発表するとともに、これまでの研究のまとめを行う。さらにいくつかの研究課題について、さらなる発展の方向性について検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行と感染拡大予防のため、研究費の利用(特に国際会議や国内研究会の中止)計画に大きな変更が必要となった。令和三年度も、新型コロナウイルスの影響が大きい状況と予想されるが、可能な範囲で研究発表を行うために利用する。なお、状況によっては他の有意義な利用方法についても検討する。
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