2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of practical combinatorial optimization algorithms by speeding up the continuous relaxation method
Project/Area Number |
17K00040
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
福永 拓郎 中央大学, 理工学部, 准教授 (60452314)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 線形計画法 / 近似アルゴリズム / 組合せ最適化 / ネットワーク設計問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は反復緩和法をこれまで適用されてこなかったb-bibranching問題へ適用することを試みた.b-bibranching問題は,二部グラフマッチング,最小有向木問題,bibranching問題を一般化した問題であり,線形計画緩和の整数性など多くの好ましい性質がある最適化問題であることが知られている.ただ,線形計画緩和を反復丸め法の手法で調査した研究はこれまで知られていなかった.本研究では,既存の研究で知られている成果について,反復丸め法の手法で別証明を与えることに成功するとともに,これまで知られていなかった場合についても新たなアルゴリズムを与えることに成功した.この成果は,近々論文としてまとめ投稿する予定である. 加えて,連続緩和を利用した研究の新たな展開として,メトリック投票に関する研究を行った.この問題は,有権者による候補者に対する選好順序が与えられたときに,最も望ましい候補者を選択する問題である.これについて既存研究で,線形計画法を利用した投票ルールの解析方法が提案されており,本研究でもこの点について調査を行った.研究期間内には具体的な成果は得られなかったが,今後の発展が楽しみな課題であると考えている. 2018年度に研究を行ったハブネットワーク設計問題に対するアルゴリズムであるが,その後の研究で問題が頂点重みネットワーク設計問題に帰着可能であることが分かった.我々が2018年度に得たスパイダー被覆に基づくアルゴリズムの解析よりも,帰着を用いて解析する方がより簡潔であり,既存の問題との関係をより深く理解することにつながった. 最後に,ハイパーグラフ相関クラスタリングや確率的ナップサック制約を持つ列モジュラ最大化に対するアルゴリズムなど,これまで国際会議で発表していた成果が学術誌において出版されたことも付け加えておく.
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