2017 Fiscal Year Research-status Report
変化係数を用いた時空間データにおける地域集積性の検出と生存時間データへの応用
Project/Area Number |
17K00052
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 健一 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (30284219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 哲治 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (60346533)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 変化係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
線形な変化係数は時間とともに変化する回帰係数の記述に有用なだけでなく、空間データの記述にも利用できる。冨田・佐藤他(応用統計学, 2010)では、従来、平滑化が使われてきた地理的加重回帰と対比させながら、空間データへの適用を提案した。また、Tonda, Satoh他 (Radiat. Environ. Bioph., 2012)においては広島原爆被爆者の死亡危険度を変化係数曲面をCox回帰モデルにおいて推定し、被爆時所在地の効果を示した。そして、Satoh & Tonda (JJSS, 2014)では空間データに対してセミパラメトリックな変化係数曲面の推測を提案し、Tonda & Satoh他(J. Epidemiol., 2015)ではがん死亡データにおいて年齢と時代の変化係数曲面を考えることでコホート効果の検出方法を提案した。さらに、Satoh & Tonda (AJMMS, 2016)では経時傾向を局外パラメータとして扱うことで、新たに、線形、セミパラメトリックに続くノンパラメトリック推定の手法を確立した。これに加えて, Satoh, Tonda他(AJMMS, 2016)では、 生存時間データにおいてハザード比の代わりにオッズ比の推定を行う手法をロジスティック回帰モデルによって提案している。そして、今年度は、T. Tonda and K. Satoh (JJSS, 2017)において、時空間データに対して、ベースライン曲線を関数形を特定しないまま興味ある説明変数の効果が推定できるノンパラメトリックに推定する方法を提案した。また、今年度は、この他にもK. Satoh, H. Yasuda, H. Kawakami, S. Tashiro(Radiation Protection Dosimetry, in press)が放射線線量評価の雑誌に受理され、また、テキスト解析の論文、S. Izumi, T. Tonda, N. Kawano,K. Satoh(The 2nd International Conference on Big Data, Cloud Computing, and Data Science, Hamamatsu, JAPAN)がBest paper awardを受賞するなどの成果を上げている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、時空間データに対してノンパラメトリックな変化係数の推測方法を提案し、生存時間データへ応用することを目的としている。研究は次の3段階で行うことを計画している。 ①時空間への拡張 Satoh & Tonda (AJMMS, 2016)の経時測定データに対して提案されたノンパラメトリックな変化係数の推測を時空間データ(位置情報を持つ経時測定データ)へ拡張する。 ②地域集積性の検出 Tonda & Satoh他(J. Epidemiol., 2015)で提案されたコホート効果の検出方法を上記の時空間解析に適用し、有意性などを評価できるようにする。 ③生存時間解析への応用 時空間上の地域集積性の検出方法をSatoh, Tonda他(AJMMS, 2016)などの生存時間回帰モデルへ応用し、そして、広島原爆被爆者データへ適用する。 そのうち、本年度は①時空間への拡張を、T. Tonda and K. Satoh (JJSS, 2017)において、時空間データに対して、ベースライン曲線をノンパラメトリックに推定する方法を提案することで実装することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、
②地域集積性の検出 Tonda & Satoh他(J. Epidemiol., 2015)で提案されたコホート効果の検出方法を上記の時空間解析に適用し、有意性などを評価できるようにする。 ③生存時間解析への応用 時空間上の地域集積性の検出方法をSatoh, Tonda他(AJMMS, 2016)などの生存時間回帰モデルへ応用し、そして、広島原爆被爆者データへ適用する。
を挙げている。今年度は、この他にもK. Satoh, H. Yasuda, H. Kawakami, S. Tashiro: Relative biological effectiveness of neutrons derived from the excess relative risk model with the atomic bomb survivors data managed by Hiroshima University, Radiation Protection Dosimetry, in press.が放射線線量評価の雑誌に受理され、また、テキスト解析の論文、S. Izumi, T. Tonda, N. Kawano,K. Satoh: Visualize the longitudinal big text data with a binary covariate: An approach based on keyword's frequency, 2nd International Conference on Big Data, Cloud Computing, and Data Science, Hamamatsu, JAPANがBest paper awardを受賞するなどの成果を上げている。本研究の応用課題として取り組みたい。
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