Project/Area Number |
17K00052
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
佐藤 健一 滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 教授 (30284219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 哲治 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (60346533)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 時空間データ / 回帰分析 / 変化係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は位置情報を持つ経時データ, すなわち, 時空間データの解析手法について研究を行った. GIS(Geographical Information System)の普及により, 健康影響を評価するデータにも, 地理的な位置情報が付与される機会が増えている. 素粒子論研究, 29-2,54-57において, 線形重回帰モデル, いわゆる一般的な回帰モデルを利用した時空間データの統計解析手法を提案した. 例として, カナダの35都市における1年間, 365日分の日平均気温データを扱う. このデータは統計ソフトRのfdaライブラリにCanadianWeatherとして含まれている. ここでの関心は, カナダの他の都市, あるいは任意の地点の365日の気温の予測にある. 本手法以外でも, 指定した地点における気温の予測は位置情報を用いた重み付平均などで実装できるが, 線形回帰に比べると平面平滑化の作業はバンド幅の最適化などの計算機的な負荷も小さくない. また, このように位置情報を持つデータにおいては, 近いほど観測値の相関係数が高くなることが知られており, これをバリアグラムとしてモデルに組み込むことがある. さらに, 地点を固定した場合にも観測時点が近ければ, 経時的にも相関係数が高くなることも知られており, これらも自己相関係数としてモデルに考慮されることがある. 一方で, 提案手法のように時間的および空間的に独立性を仮定した場合であっても, 一般化推定方程式の理論によれば作業相関行列の与え方に依らず, 回帰係数の推定量としては一致性を持つことが知られている. つまり, 推定量が真の回帰係数に収束するスピードが遅いものの, 収束すること自体が保証される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度に回帰モデルに対して仮定した平均構造は, 空間と時間の交互作用を用いるために, 一般的には推定すべき未知パラメータが多くなる傾向があり, また, 空間効果と時間効果を分離して, 加法的に表現することはできない. つまり, \mu(t,u,v)=\mu_1(u,v)+\mu_2(t)のように空間と時間の効果を加法的に分離したい場合には, Yamamura et al. (2016), Tonda and Satoh (2017)などを参考にする必要がある. しかしながら, 空間と時間の効果を加法的に分離してしまうと, 交互作用項で示すことができた時間とともに変化する空間曲面は表現できなくなる. 時間と空間の加法性については, 目的に応じて使い分ける必要があるということが明らかとなった. どちらの解析手法も重要である. また, 時空間データにの解析手法として, 時間あるいは空間について観測値の独立性を仮定しているため, どちらかに相関構造を入れた手法が提案できればなお良かった. しかし, 簡単な線形構造を用いただけで観測値に対して非常に高い適合性を示すことができたことは良い結果といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
時空間データに対して時間あるいは, 空間に対して相関構造を入れた解析手法を提案したい. 一見すると線形回帰分析から生存時間解析はかなり異なる回帰分析手法として考えられるが, 生存時間解析は本質的にポアソン回帰と同一視でき, また, 重回帰分析において個体ごとの重みを与えることでポアソン回帰と同等の重み付き重回帰分析を行うことができる. 時空間データの解析手法を考えていくことで, 生存時間解析にも貢献すると思われる. こうして, 線形重回帰モデルの周辺のモデル, 例えば, 一般化線形モデルではなく, 分散共分散構造がすべての個体間にも仮定できる一般線形モデルや, これに関わるバランス型成長曲線モデル, また, 同様にして, 一般化推定方程式, 回帰係数にランダム効果を考えることで結果的に観測値間の相関構造を与えることになる混合効果モデル, さらに, 空間データの主要な回帰モデルである地理的加重回帰モデル, などを用いて, 時間あるいは空間に関する相関構造を考慮して時空間データの解析手法を提案したい.
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Causes of Carryover |
2019年度の年度末3月に出張を予定していたが, 新型コロナ感染拡大の影響により出張ができなくなったために, 未使用額が生じた. このため, 情報収集のための出張は2020年度に行うこととし, 未使用額はその経費に充てることにしたい.
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