2018 Fiscal Year Research-status Report
母集団薬物動態解析の個人差を考慮した解析法の拡張と試験計画法
Project/Area Number |
17K00057
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
根本 明日香 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 講師 (20722482)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 母集団薬物動態解析 / 非線形混合効果モデル / 目的関数 / 尤度比検定 / 共変量選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
母集団薬物動態(PPK)解析の目的の一つは、血中薬物濃度の個人間変動と関連する患者属性を見出すことであり、モデル構築の共変量選択の問題と言い換えることができる。一般的な変数選択の方法は尤度比検定に基づくものであり、時間-濃度曲線の全般にわたってデータを得る十分な(dense)サンプリングデザインに基づくデータを前提としているが、現実には、この前提を満たさないデータ、すなわち、限定された(limited)サンプリングデザインによるデータに適した共変量選択の方法の開発が求められている。本研究では、最尤法によるPPKモデルパラメータ推定において最大化する目的関数の拡張を目指す。 2年目である平成30年度には、Wangら(2007, JPP)らが導出したFOCE法により近似した目的関数を基にし、目的関数の新たな近似式を提案した。提案法は、Khandelwal(2011, APPS J)により示された計算方法を利用したもので、この分野で一般的な統計解析ソフトウェアであるNONMEMを使って1ステップで計算でき、従来法で問題であったサンプリングデザインに依存的な検出力の変動に対して頑健であるという特長がある。確率的に生成した仮想データに提案法を適用する数値実験により予備的な評価を行い、限定されたサンプリングデザインで得られたデータに対して、一定の条件下では従来法に比較して共変量選択の検出力が改善されることを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共変量選択において一般的に用いられている尤度比検定の手順にもとづく新たな方法を考案し、予備的であるが良好な数値実験の結果を得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間の最終年度である2019年度は、提案法の手順のうち可変の条件について最適化し、数値実験の条件を大きく変化させて、提案法を適用することができる前提条件を明らかにする。関連学会で研究発表を行い同分野に関心を持つ研究者と議論し、その議論を踏まえて研究論文にまとめ、国際誌に発表する。
|
Causes of Carryover |
国際学会参加のための諸費用、論文の英文校正、投稿料の費用を予定している。
|
Research Products
(8 results)