2018 Fiscal Year Research-status Report
時系列モデリングに基づく多段型マッドパルス伝送の高速化
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17K00068
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
小山 慎介 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (20589999)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マッドパルス伝送 / 統計モデリング / 時系列解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、情報科学・統計数理的な方法論を用いてマッドパルスから情報を最大限に読み取る新手法を提案することである。この目的のため、平成30年度は以下の研究を実施した。 (1) 前年度に取得したデータを用いて、マッドパルス伝送路のシステム同定を行った。伝送路モデルとして線形システムを仮定し、パラメトリック法とスペクトル推定に基づくノンパラメトリック法を用いたシステム同定を行い両者のパフォーマンスを比較した。入力信号の帯域幅が大幅に制約されていることから、パラメトリック法の方が好ましい結果を得た。 (2) 圧力波試験装置を用いた実機試験を実施して追加データを取得し、同定した伝送路モデルの評価を行った。 (3) 同定した伝送路に基づいて、任意の入力に対して圧力波を出力するシミュレーションモデルを実装した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実データを用いて圧力波試験装置の伝送路を同定した。また、この結果に基づいてシミュレーションモデルを実装した。このモデルを用いて伝送路の特性(情報量など)の解析および信号の符号化の設計が次のステップである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の流れは、シミュレーションモデルを用いて伝送路の特性の解析および信号符号化の設計、そして実機試験での検証である。ただし、ここまでの研究で新たに浮上した問題に対処する必要がある。その問題とは、圧力波試験装置が生成するノイズ特性が実際の掘削時のそれと大きな違いがあることである。この問題に対しては、掘削時に発生するノイズをシミュレーションで模擬的に生成してデータに付加することを検討する。
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