2017 Fiscal Year Research-status Report
Context-Oriented Programming Framework and Methodology for Robot Operating System
Project/Area Number |
17K00079
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久住 憲嗣 九州大学, システムLSI研究センター, 准教授 (10380685)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ROS / IoT / 組込みシステム / コンテキスト指向プログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、組込みシステム、特に多機能なスマートロボットを対象において事実上の標準であるRobot Operating System(ROS)に、コンテキスト指向プログラミング(COP)を適用したContextROSを研究、開発し、様々な応用に対して適用してその実用性を評価することが目的である。 本年度はContextROSのプロトタイプ実装を、ROSでよく使用される言語であるPython及びC言語を対象に行い、簡単な評価を実施した。実施内容は以下の通りである: 多くのCOP においてレイヤは、関数やメソッド呼び出しの実行を静的、または、動的に変更することで実現されている。通常言語の関数呼び出し等にあたるROSの機能は、ノード間のメッセージ通信である。ノード間通信には、サービスメッセージ通信、および、トピックメッセージ通信の2種類がある。ContextROSにおいては、この2 種類のノード間の通信の振る舞いを変更することにより、COPのレイヤの実現を行った。 また、ROSは分散実行環境であり、ノードは同じコンピュータ上で実行されることもあるが、異なるコンピュータを超えて実行されることもあり得る。既存のCOPでは分散実行されることが考慮されてこなかった。そこで、ContextROSにおいては、レイヤ切り替えを同期、非同期の両面で実現し、それらの得失を検討した。予備評価を実施した結果、同期切り替えはノード数に比例してレイヤ切り替えに時間がかかり、非同期切り替えにおいては切り替え時間は短縮されるがノード間の状態が矛盾しうることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では初年度はContextROSのプロトタイプ実装を実施し、2年目以降において実応用に近いアプリケーションに適用することで、実用性の評価と改良を加えることとした。 概要にも記したとおり、ROSへのCOP適用の概念整理、及び、プロトタイプ実装を実施し、予備的にではあるが評価を実施した。評価においては複数の実装を検討し、性能評価を実施し良好な結果が得られた。また、この成果を9th International Workshop on Context-Oriented Programmingや情報処理学会組込みシステムシンポジウムにおいて発表した。以上のことから、おおむねね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度はContextROS上で実用に近いアプリケーションを開発することで、改良を図る。 家庭用のユースケース等を鑑みたアプリケーションを複数開発し、ContextROSの検証を行う。家庭用のユースケースでは、ESSロボットチャレンジの課題を採用する。当該課題はフィールド上に配置したIoT デバイスを活用しつつ、複数台のロボット掃除機を用いて掃除をする課題である。複数ノードでの協調動作が必要であり、掃除機のつまり、乗り上げ等の例外状態がある。さらに、既存資産があるためContextROSの適用が容易であるため、この応用を採用する。
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Causes of Carryover |
評価実験を工夫することにより、既存機材により実施することができたため、物品費が当初の予定より少なくなった。30年度移行で新たな評価実験を考え、必要機材を購入する予定である。
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