2017 Fiscal Year Research-status Report
近似計算の利用による性能を犠牲にしない省電力な処理方式とその開発を支援する技術
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17K00088
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 寿倫 福岡大学, 工学部, 教授 (00322298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
請園 智玲 福岡大学, 工学部, 助教 (50610060)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 低消費電力 / システムオンチップ / 計算機システム / 情報システム / ディペンダブル・コンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
近似計算処理を行う演算器に関して検討を行った. まず乗算器に着目した.最初に,消費電力を約60%削減しながら演算速度を約36%改善できる近似乗算器を考案した.この成果は昨年11月に開催されたInternational Conference on Computer Designで発表した.続いて,動作時に演算精度を変えることが可能な近似乗算器を考案した.選択された演算精度に応じて,消費電力を約47~56%削減可能であり,同時に演算速度を約30~60%改善できる.この成果は今年1月に開催されたAsia and South Pacific Design Automation Conferenceで発表した.この成果に対して回路構成を工夫することで,さらに消費電力を40%削減する構成を考案した. 続いて加算器に取り組んだ.動作時に演算精度を変えることが可能な近似加算器を考案した.予備評価結果を昨年9月に開催された電子情報通信学会ソサイエティ大会で報告した.詳細な評価の結果,選択された演算精度に応じて,消費電力を0~約55%削減可能であり,同時に演算速度を0~約70%改善できることが明らかになった.この成果は,今年3月に開催されたInternational Symposium on Quality Electronic Designにて発表した.この成果に対して回路を工夫することで演算精度に高い優先度を置く構成を考案し,ほぼ同等のエネルギー利用効率で誤差距離を50%改善した.この成果は,今年3月に開催されたWorkshop on Synthesis and System Integration of Mixed Information Technologiesにて発表した.一方で,演算速度に高い優先度を置く構成も検討し,速度を57%改善した上に消費電力を43%削減出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
効果的な回路を考案出来たことが理由と思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き演算器の検討を進める.特にAI(ディープラーニング)で多用される積和演算器を検討する.同時に,考案した近似計算回路を生成する手法についても検討を進める. 前者については考案した回路の評価が重要であり,このために評価には多大な作業と時間を要する.そのため.博士後期課程学生を中心にしながらも,学部生の協力も仰ぎながら推進する.後者については研究代表者が方式の考案を担当し,それを実現するシステムの試作を博士前期課程学生が担当する.
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Causes of Carryover |
次年度の国際会議参加費とその旅費のための立て替え払いをしており,実質的には使用済みである.論文掲載の条件に参加登録があり,当該年度に参加費を支払う必要があった.ビザ申請の要件に航空券の所持があり,当該年度に航空券を購入する必要があった.
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