2019 Fiscal Year Research-status Report
近似計算の利用による性能を犠牲にしない省電力な処理方式とその開発を支援する技術
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17K00088
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 寿倫 福岡大学, 工学部, 教授 (00322298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
請園 智玲 福岡大学, 工学部, 助教 (50610060)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 低消費電力 / システムオンチップ / 計算機システム / 情報システム / ディペンダブル・コンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
加算器と乗算器の改良を継続し,二年度目から検討を開始した積和演算器についても方式の改良を試みた. 加算器については負数の扱いを考慮する方式の検討を深め,前年度には評価できていなかった消費電力を評価し,より消費電力の小さな方式を二つ考案した.成果をAsia Pacific Conference on Circuits and Systemsで報告した.乗算器については要素技術は前年度までと同様であるが,回路構造を大幅に変更する方式を考案し,高い演算精度と小さな消費電力とを両立した.Great Lakes Symposium on VLSIで成果発表し好評だった. 積和演算器については,昨年度検討した演算精度固定の回路を改良し,新たに演算精度が可変な回路を二方式考案した.状況に応じて演算精度を変更できるので,応用の幅を広げる可能性がある.Computer Society Annual Symposium on VLSIとFukuoka University Review of Technological Sciencesで成果を公開した. 加えて,近似計算技術の応用を広げる検討にも取り組んだ.以前に取り組んでいたディペンダブル技術への応用を思いつき,経年劣化や電源の揺らぎによる回路の信頼性低下への対策技術として近似計算を利用できないか考察した.まだ開始し始めたばかりであるが,Global Conference on Consumer Electronics,Nordic Circuits and Systems Conference,そしてPacific Rim International Symposium on Dependable Computingにおいて成果報告できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度報告書の推進方針で述べた積和演算器については二方式の近似回路を考案し,査読のある国際会議で一度の発表と,査読の無い雑誌論文として一件の発表とを行った.どちらの方式でもディープラーニング応用で評価し,良好な結果が得られている.計画通り順調に進展していると認められる.一方,近似回路の自動合成技術については足踏み状態である.全体としては,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
信頼性低下への対策に利用する応用は,研究課題の提案時には考慮されていなかった.新たな研究資金を獲得して,この方向での近似計算の利用を検討したい.ディープラーニング技術を利用した近似回路の自動生成については,未だ実用に供する段階に至っていない.自動生成技術については,われわれよりも高い知見を持つグループとの共同研究を立ち上げられるよう検討中である.
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Causes of Carryover |
(理由) 新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックにより,発表を予定していた国際会議が開催中止となったため予定されていた海外出張が無くなり,一度は支払っていた航空券代金などの旅費が払い戻された. (使用計画) 依然として出張は困難であるが,オンライン開催される国際会議に参加するための登録費として使用する予定である.
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Research Products
(14 results)