2019 Fiscal Year Research-status Report
再合成可能な非循環関係分割による複数シナリオに対応した振る舞いモデル自動合成
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17K00100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 俊幸 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00294041)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ソフトウェア開発効率化・安定化 / ソフトウェア工学 / アルゴリズム / 情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
高信頼ソフトウェアの開発は,安心・安全な社会を実現する上で必要である.ソフトウェアの信頼性を高める方法の一つとして,プログラムの自動合成がある. 良い仕様から仕様を満足するプログラムを自動合成することが出来れば,信頼性の高いソフトウェアが開発される.本研究では,分散システムにおけるモデルベースのソフトウェア開発を対象として,抽象的な要求仕様(シナリオ)から,分散システムを構成するモジュールの振る舞いモデル(状態機械)を自動合成するための理論構築およびアルゴリズム開発に取り組むことを目的としている.シナリオから状態機械を自動合成する多くの研究では平面的な状態機械を用いている.しかし,平面的な状態機械はしばしば複雑になり,設計者にとって理解しやすいモデルとなっていない.先行課題(基盤(C) 23500045, 26330083)では,シナ リオの「再合成可能」な分割に基づくペトリネットを用いた階層型状態機械の合成アルゴリズムを開発した.先行課題ではシナリオが一つだけの場合を対象としていたが,本研究では複数のシナリオから状態機械を合成するための理論的研究を行っている.平成30年度までに,二つのシナリオから状態機械を合成するための理論的考察を行った. 平成31年度では,シナリオの数理モデルにイベントストラクチャと呼ばれる数理システムの利用を検討した.イベントストラクチャに対して再合成可能性を提案し,再合成となるための必要条件を導出した.その結果を,学会(国際会議: 1,国内会議:1)にて発表した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度では,イベントストラクチャを利用してシナリオを記述する場合において,再合成可能となるための条件の導出に成功しており,概ね計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度の研究が順調に進んでいるため,当初計画通りに推進していく.
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Causes of Carryover |
参加を計画していた国際会議に日程の都合上参加できなかったため使用額が想定を下回った.研究成果が2020年度に学術論文誌へ掲載されることが決まっており,その掲載料に使用する.また,成果実装のために使う計算機の更新に使用する予定である.
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Research Products
(3 results)