2018 Fiscal Year Research-status Report
Design and implementation of fragmentation-adaptive parallel and distributed XML query library
Project/Area Number |
17K00108
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
松崎 公紀 高知工科大学, 情報学群, 教授 (30401243)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | XML / XPath / データベース / 並列処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の中心的技術は,「XPathステップ毎の並列化」と「(木)オートマトンに基づく並列化」の2つによる,Navigational XPathクエリの並列評価である.平成29年度の研究により,本研究を実施する上で用いる計算基盤として,最先端のネイティブXMLデータベースのひとつBaseXが有用であることが確認された.平成30年度には,そのBaseX処理系の上でのXPath並列評価法の実現とその評価について主に研究を行った. まず,平成29年度に引き続き,XPathを逐次計算部分と並列計算部分に分け,並列計算部分を効率良く並列評価するようなシステムをBaseX上に実現し,その評価を行った.既存研究 (2010年) で示されていた結果と比べ,より優れた (かつ妥当な) 並列速度向上を得ることができた.この研究成果は,データベースに関する国際会議ADBISに採択され,またその内容を含む拡張版をarXivに公開した. また,2016年に提案した「シリアライズされたXMLデータから容易に構築できる断片化とそれに基づく並列XPathクエリ処理」について,BaseXで提供されるより高速なデータアクセスとXQuery評価を用いた実装について考察し,予備実験を行った.本研究成果は,令和元年度 (平成31年度) に投稿を予定している. 国際会議ADBISでの議論により,ネイティブXMLデータベースBaseXだけでなく,RDFデータとして表現されるグラフデータベースの処理系について同様の比較検討を行うことが有用であることが示唆された.そこで,この内容について今後研究を進めるための基礎調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既存のXML処理系・XMLデータベースエンジンの上でのXPathクエリ並列化の調査について,国際会議ADBISに採択され発表済みである.一方,昨年度に論文投稿を予定していたステップごとの並列評価による実装については,投稿は行ったものの不採択となり,追加実験の上で再投稿を行う必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度 (令和元年度) には,国際会議ADBISでの議論により示唆されたグラフデータベース処理系の上での並列実装とその性能評価について主に取り組むこととする.グラフデータベース処理系には複数のものが提案されているが,これまでの予備調査により用いるグラフデータベースを絞り込んでおり,本年度の研究によりXMLデータベースとグラフデータベースを用いることのメリット・デメリットなどが明らかになることを期待する. また,(木) オートマトンに基づく並列化について,研究代表者らが過去に提案したm-bridgeによる木の分割の有効性を含め,実験により明かにする.m-bridgeによる木の分割を効率良く実現する方法 (逐次によるもの,並列フレームワークを利用するもの) はすでにあるため,本年度の研究は,クエリの並列評価の有効性について焦点をあてて実施する. これらの研究成果について,国内の研究会または国際会議へ投稿・発表し,その議論をもとに研究成果の価値を高めることを狙う.
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Research Products
(3 results)