2018 Fiscal Year Research-status Report
コンテナ型仮想化環境を用いる低負荷高速で低消費電力なビッグデータ処理基盤
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17K00109
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
山口 実靖 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (50439262)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コンテナ型仮想化環境 / ファイルシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
オープンソースのコンテナ型仮想化環境インプリメンテーションであるドッカー(Docker)を用いて,コンテナ型仮想化環境の動作観察システムの構築を行った.そして,当該動作観察システムに基づく性能向上についての考察を行い,初期段階のものに関しては性能向上の実現も達成した.また,コンテナ型仮想化環境用ファイルシステムの構築にも着手し,既存のファイルシステムインプリメンテーションより10倍以上高速なファイルシステムの構築を実現している. 具体的には,コンテナ型仮想化環境の動作観察システムとしては,オープンソースであるコンテナ型仮想化システムDockerと同じくオープンソースであるオペレーティングシステムインプリメンテーションLinuxを用いてコンテナ環境を構築し,これらオープンソース実装のソースコードを改変して動作観察システムを構築した.そして,コンテナ型仮想化環境用ファイルシステムとしては,オープンソースであるコンテナ型仮想化環境用ファイルシステムのオーバーレイファイルシステム(OverlayFS)の改良し,コピーアップ処理時の性能の課題(下位ディレクトリにのみ存在するファイルに対して書き込みを行うと,そのファイルの上位ディレクトリへのコピーが発生し,さらに必ずキャッシュの同期処理が発生して性能を著しく下げる現象)の指摘し,コピーアップ処理の課題の解決による大幅な性能向上などを実現した.そして,これらの成果を国内外で開催された学会(複数の査読付き国際会議など)にて発表した.学会発表では受賞もし,高い評価を得ている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初に平成30年度以降の計画に掲げた目標のうち,基礎性能評価実行時の仮想化環境の動作観察,それに基づく性能向上,コンテナ型仮想化環境用ファイルシステムの構築, 並列コンテナ型仮想化環境とその動作観察システムの構築が達成されており,概ね順調に進展していると言える.また,複数の査読付き国際会議にて論文が採択されており,国内外においても高い評価を得つつある.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,概ね当初の計画通りに順調に進展しているため,大きな変更は行わず当初の計画通りに進める予定である.具体的には,平成30年度以降の計画に掲げた目標のうちの ビッグデータアプリケーションの動作観察とそれに基づく性能向上 を主に行う予定である.また,可能な範囲で多くの論文投稿に努める予定である.
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Causes of Carryover |
研究は順調に進展し、その成果を国際会議などに投稿したところ複数の国際会議の全てに採択されるなど当初の予想以上の評価を得られる状態となった。これを受けて、査読無し国内研究会などへの投稿を取りやめ、査読あり国際会議への投稿を目指すこととした。 次年度開催の国際会議に論文を投稿する計画である。
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Research Products
(4 results)