2018 Fiscal Year Research-status Report
組み合わせテストを応用した組込みシステムの検証項目生成の研究
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17K00111
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
関澤 俊弦 日本大学, 工学部, 准教授 (10549314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 浩三 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (70252632)
見越 大樹 日本大学, 工学部, 講師 (00634114)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モデル検査 / 確率系 / 自己位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,目的の一つであるモデルの生成に関して,“状態数削減および抽象化”と“確率系への拡張”に取り組んできた.この取り組みにおいては,ロボティックス領域で用いられる自己位置推定アルゴリズムを主たる対象としている. 平成29年度に発表した,モデル構築と検査式の構築に関する手法の成果に基づき,同一の手法をネットワーク領域に適用した.ネットワーク領域への適用においては,系の振舞いは非決定性を含むものの確率系ではないとしてモデルを構築した.この成果は査読付き国際会議で発表した.この同一手法を異なる領域に適用した結果より,系を構成する因子や再帰的なモデル構築の手法に繋がった. また,平成29年度の成果では,検証結果からモデルまたは検査式を再構築する際には手動で解析を行っている問題があった.モデルまたは検査式の再構築は再帰的に行われるため,再構築の手法を確立する必要がある.この問題に対して,確率を含む系から確率を含まない系に変換する手法に取り組んだ.一般には,確率を含む系から確率を取り除くことはできないが,自己位置推定など対象系が持つ特徴や検査式の性質によっては可能となる.このような場合において,確率を含まない系に変換し,この系で検証を行なう.検証した結果から得られる反例を解析し,確率を含まない系でモデルの再構築を行なう研究に取り組んでいる.反例解析は手動で行なっている問題はあるものの,反例に基づくモデルの再構築が可能であることを示し,この成果を国際会議にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記した“状態数削減と抽象化”は,検証におけるモデルまたは検査式の変換手法に関係する.一定の条件の元に,確率を含む系から含まない系に変換する手法は,状態数が削減されるとは限らないが,抽象化と詳細化に関係する.この取り組みにより,確率を含む系では適用が難しい反例の解析やモデルの再帰的な構築に,既存の研究成果を含む手法の適用が考えられるようになった.また,平成29年度はロボティックス領域を具体的な対象としていた手法をネットワーク領域へ拡張できたことは,取り組んでいる手法の一般化に繋がると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に課題となったヒューリスティックな変換は,平成30年度の取り組みで一定の条件の元で解決したと考えられる.しかし,反例の解析やモデルの再帰的な構築において,人手を介している点は,研究目的に記載した検証の自動化において問題となる.この点を解決するために課題に研究を進める.
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Causes of Carryover |
ネットワーク領域への適用にあたり,平成30年度より研究分担者を1名追加しました.平成31年度にも引き続き研究分担者を担当していただくため,研究活動に必要な配分用の研究費として一部を繰り越しました.
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