2017 Fiscal Year Annual Research Report
生態観測のための分散型軽量プラットホーム技術の研究開発
Project/Area Number |
17K00121
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
山崎 克之 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (00432097)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 寛 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (80451201)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 情報ネットワーク / センサネットワーク / 生態観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、情報技術に馴染みのない人でも、簡単な手続きの後に観測装置をフィールドへ設置するだけで、観測対象を自動的に追従する生態観測システムを構築できる「生態観測プラットホーム技術」の確立を目的としている。2017年度は、以下のような具体的な生態観測を対象としてシステムの設計・開発を行い、生態観測プラットフォームに必要となる要素技術を検討した。 1. ツキノワグマによる人身被害・農林業被害の防止とツキノワグマの保護を両立するために、人里に出没したツキノワグマを捕獲し、忌避学習を行い放獣する学習放獣が行われている。本研究課題では、放獣したツキノワグマの位置の追跡および接近検知を実現するツキノワグマ観測首輪システムを提案した。設計・試作した首輪は超低消費電力マイコンボード(NUCLEO-L476RG)を中心としており、ツキノワグマをリアルタイムに追跡するために、3G通信/GPSモジュールと加速度センサーを備えている。また、数年間の稼働を実現するために、センシング・通信時を除いて全機能がスリープするように設計している。また、計測したツキノワグマの位置をリアルタイムに可視化するWebシステムも設計・試作している。 2. 田畑へのサルやイノシシなどの有害鳥獣の接近を検知できるように、本研究課題では、送信機/受信機の間でビーコンを送受信し、受信電波強度を解析することで、送信機/受信機間を野生動物が通過したことを検知するシステムを提案した。このシステムは、複数の周波数帯(2.4GHz, 920MHz, 429MHz)に対して電波を送受信できるビーコン装置を備えており、反射や回折の特性が異なる複数の周波数帯の電波強度の変動を同時に計測する。また、電波の反射・回折・吸収から起こる電波強度の変化を機械学習により解析することで、送信機/受信機間を通過した野生動物の種類や数を推定する。
|
Research Products
(4 results)