2017 Fiscal Year Research-status Report
受信者セントリックな災害時被災情報炊き出しシステムの構築
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17K00132
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
重安 哲也 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (90352046)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コンテンツ指向ネットワーク / 被災情報配信システム / 災害時システム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,被災者セントリックな情報炊き出しシステムの構築に関わる,コンテンツ指向型データ転送ネットワークアルゴリズムについて主に検討を行った.具体的には,1)無線ネットワークにおける被災情報提供に関わる,リクエスト・レスポンス手法に関する基礎検討,ならびに,2)配信コンテンツのインネットワークキャッシュ手法に関する検討,ならびに,3)情報要求者の地理的分布に基づく,リクエスト転送経路の適応的選択手法に関する基礎検討の3点について検討を行った. まず,1)に関する基礎検討では,実際の災害発生現場における,被災者の避難状況を鑑み,ネットワーク内のノードが様々な経路で移動を繰り返す,ネットワーク切断が頻発する状況下における情報要求パケットの転送ならびに,同パケットに対する応答パケットの転送に関わる原理アルゴリズムを,ネットワーク切断環境下をシミュレートできるONE simulatorに実装した.また,同シミュレータを用いて,情報取得時のネットワーク特性を評価し,インネットワークキャッシュの多様化によるトラフィック増が今後の課題となることを明らかにした. また,2)に関する検討では,コンテンツキャッシュ用のルータにおいて,キャッシュコンテンツのオーバフローが発生する場合の対処として,オーバフローが発生したコンテンツルータの周辺ルータが協調してコンテンツのキャッシュを行うことで,ネットワーク内のキャッシュ種類の多様性を確保するキャッシュ容量の仮想的な増加手法を検討し,同手法の有効性をシミュレータによって評価した. また,3)の手法については,コンテンツをその内容に応じて,複数のカテゴリに分類し,その上で,中継ルータ間での要求転送時の指針として有効活用することで,カテゴリの近いキャッシュを集約できる手法を提案し,その有効性をシミュレーション評価によって明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被災情報配信のための,コンテンツ配送技術は,本研究課題において開発を行うシステムの核となる技術であるが,本年度の検討では,様々な,特性評価による,災害時の情報配信の特徴ならびに,課題点を明らかにできている.
また,コンテンツのインネットワークキャッシュについても,被災時情報配信に有益な手法を開発できたことにより,今後のシステム開発に有益な遅延を得ることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,初年度の検討によって明らかとなった,研究課題を解決するための手法について,さらに深く検討を行うとともに,インネットワークキャッシュアルゴリズムのさらなる効率化の検討を行う必要がある.
また,開発を行ったネットワークアルゴリズムを実際のワンボードマイコンなどの実機に実装するといった作業にも着手できるように検討を進めたい.
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Causes of Carryover |
今年度に行った検討で開発を行ったアルゴリズムは,シミュレーション評価によって有益な知見を多く得ることができた.そのため,実機を購入するために確保しておいた予算が余ったため,使用額が当初予算を下回った.
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Research Products
(4 results)