2017 Fiscal Year Research-status Report
激甚災害からの設備復旧順序に着目した効率的な通信ネットワーク復旧方法
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17K00137
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
源田 浩一 日本大学, 工学部, 教授 (00564105)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ネットワーク / 自然災害 / 最適化 / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
激甚災害の発生により通信ネットワークが想定外の被害を受けたとき、段階的な物理設備の復旧工程を通して、「物理設備のどこから修復すべきか、部分的なネットワークでトラヒックをどのように流すと効果的か」を導き出すための効率的な通信ネットワーク復旧方法を明らかにするために、従来の復旧方法をベースに、【研究1】実ネットワークへの適用性を高めるための復旧条件拡大と、【研究2】大規模ネットワークへ適用するためのスケーラビリティある方法への拡張を検討した。 【研究1】に関しては、既存研究を、①トラヒック需要、③ネットワーク利用形態の観点から、実ネットワークへの適用性を高めた方法へ拡張した。①については、対地間の異なるトラヒック需要の考慮に加え、対地間すべての疎通回復の優先を考慮し、かつ計算時間を大きく短縮できる近似手法を明らかにした。③については、ネットワークの利用形態として今後益々利用が期待される仮想ネットワークにおいて、トラヒック需要が災害発生直後はリアルタイム系通信が高く、その後時間経過つれてデータ系通信が高くなることに着目し、復旧工程全体を通した最適な復旧順序の決定方法を明らかにした。これらの研究成果は、国際会議1件、国内会議1件にて報告した。 【研究2】に関しては、既存研究の復旧方法を基本に、大規模ネットワークに適用可能なスケーラブルな復旧方法を検討した。正常エリアのネットワーク構成要素を一定の範囲で1つの「抽象化ノード」として近似する方法を明らかにし、厳密解と比べ、計算時間を大幅に短縮できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究1】実ネットワークへの適用性を高めるための復旧条件拡大に関しては、当初予定通り、既存方法をベースに、トラヒック需要の偏りや仮想ネットワークへの適用を可能とした復旧順序の決定法を明らかにした。また国内外に研究成果をアピールした。 【研究2】大規模ネットワークへ適用するためのスケーラビリティある方法への拡張に関しては、当初予定通り、「抽象化ノード」を利用した復旧順序の決定方法を明らかにし、その効果を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
【研究2】に関して、昨年度取り組んだ「抽象化ノード」に基づく復旧順序の決定方法のみならず、他の近似方法も視野に入れて、より効果的な方法に取り組む。 【研究3】の方式統合化については、【研究1】および【研究2】で明らかにした方式を効果的に組み合わせる統合フローの整理、統合方式から得られた解と厳密解との差分評価、それを受けた改善策の検討に取り組む。進捗状況をふまえて平成31年度の継続検討も念頭に置き取り組む。 【研究4】については、平成31年度のフィージビリティ検証に向けて、検証項目を明確化するとともに、検証環境の構築に着手する。
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Causes of Carryover |
【検証4 フィージビリティ確認】で使用する操作用・情報収集用機器の設定確認を次年度実施としたため、関連機器の購入を次年度に実施する。
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