2018 Fiscal Year Research-status Report
モバイル生体センシング基盤における分散複合イベント処理に関する研究
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17K00145
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
幸島 明男 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20357130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 満 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10300865)
車谷 浩一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究主幹 (50356945)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生体センシング / スマートウォッチ / peer-to-peer |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,利用者が持つスマートフォンやモバイルセンサデバイス等から得られる複数の時系列センシングデータを分散複合イベントとして統合的に処理することで,高齢者等の身体・生活状況を家族等の小グループにより見守ることを可能にする,Peer-to-Peer(P2P)方式のモバイル生体センシング基盤について研究開発を行っている. 本年度は,分散複合イベント処理を実現するための基盤技術として,スマートデバイスを用いたセンシングデータの双方向通信機構の実装と評価を進めるとともに,モバイル環境におけるスマートデバイスの時刻同期機能の設計と実装を行った.まず,計算資源の限られたスマートウォッチ上のセンシングデータの双方向通信については,出版-購読(Publisher/Subscriber)型メッセージングモデルを採用し,メッセージに含まれるキーワードに基づいて他のスマートウォッチへの配信や内部解析プロセスの起動を行う疎結合データ処理アーキテクチャにより実装を行った.このアーキテクチャにより,市販のスマートウォッチを用いて,柔軟かつ効率的な通信制御が可能なP2P型の遠隔見守りシステムが実現できることを示した.また,スマートデバイスの時刻同期機能については,携帯可能な時刻サーバと無線通信するスマートウォッチのネットワークを構築し,それらの間の時刻同期を行う手法について実験的に検討した.モバイルバッテリを電源として動作する小型のモバイルサーバ(Raspberry Pi)に,Wi-Fiルータの機能とGPS信号による時刻サーバの機能を実装し,カルマンフィルタの手法を用いて,時刻サーバとスマートウォッチとの間の時刻同期を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腕時計型のスマートデバイスの通信・データ処理を制御するための内部アーキテクチャがほぼ完成し,その内部アーキテクチャに関する論文を論文誌にて発表した.最終年度に向けて,複数のデータを統合的に処理するためのスマートデバイス上の仕組みが整いつつあり,おむね想定通りの進捗といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度開発したモバイル生体センシング基盤に基づいて,データ指向のアプリケーションシステムとしての実現を念頭に,分散複合的なイベント処理を実現するためのデータ解析処理のしくみについて研究開発を行う予定である.
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Causes of Carryover |
論文掲載費用等が当初想定していたよりも少額で済んだため.次年度使用額は,国際会議や論文誌等における研究成果の発表費用にあてる予定である.
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Research Products
(3 results)