2019 Fiscal Year Research-status Report
環境や利用者に適応して多様なスポーツのコンテンツを提示する次世代可視化技術の構築
Project/Area Number |
17K00148
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 翔 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00708018)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スポーツ映像 / 視線データ / 検索システム / 可視化 / パス可能領域 / 距離計量学習 / 深層学習 / マルチモーダルデータ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツの中でも,特に,複数人が1つのフィールド上で連携して試合を進めるサッカーやラグビー,野球等の競技では, フォーメーションが戦術の重要な要素であり,その分析は,試合内容を理解するために重要である.このため,提案者はこれまでにサッカーや野球の分析データを生成する理論の構築を進めており,本研究課題では,このさらなる高度化と多様化を進めるとともに,利用者のレベルや興味に応じて選手やチームの情報,戦況,さらには戦術の高度な情報までを動的に提示する次世代の可視化技術を構築する. すなわち,本研究では,利用者の「知識レベル」や「観戦・練習の環境」等の多様なデータから,「所望する分析データ」と「利用環境に適応した提示方式」を定める理論を導出し,スポーツの効率的な観戦や教育等を助ける情報提示の基盤技術を構築する.具体的に応募者は,本研究を4年間で計画しており,期間内に次の【フェーズ1】~【フェーズ4】を明らかにする. 【フェーズ1】スポーツの分析データを生成する理論の高度化 【フェーズ2】利用者の環境および操作履歴に基づく分析データ提示の基盤技術構築 【フェーズ3】様々なスポーツ環境・デバイスでの分析データ提示システムの実装 【フェーズ4】競技の枠を超えて適応的に分析データを提示する可視化技術への拡張 平成31年度 / 令和1年度には,【フェーズ3】を特に進め,「スポーツの分析データ」を映像への重畳やスタジアム観戦時のARなど,利用場所やデバイスに最適化して提示する理論を導出した.具体的には,ユーザの視点映像において分析結果を重畳表示することが可能な領域の推定を行った.このとき,サッカー経験者の視線データを基にした推定を可能とする理論も導出しており,よりサッカーを対象としたARの実現可能性を高めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度から令和1年度までは,非常に順調に研究が実施でき,令和1年度には,【フェーズ3】を計画どおりに進めた.具体的には,ユーザの視点映像において分析結果を重畳表示することが可能な領域の推定を行った.このとき,サッカー経験者の視線データを基にした推定を可能とする理論も導出しており,よりサッカーを対象としたARの実現可能性を高めた. また,本研究では,【フェーズ4】として計画している複数競技を横断して利用者に応じた分析データの提示を可能とする手法構築の一部を平成29年度に先行実施している.具体的には,サッカー競技のパス可能な領域を映像上に可視化する理論をラグビー競技に応用可能とし,ラグビー競技で行われるパスを提示可能とした.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,最終年度である令和2年度に下のとおりに計画している【フェーズ4】を進めるところであるが,平成29年度に一部を先行実施しているため,計画に加え,ARなどによる重畳表示の更なる高度化を併せて実施する.
【フェーズ4】競技の枠を超えて適応的に分析データを提示する可視化技術への拡張
なお,【フェーズ4】については,先に記載したとおり,既に一部を先行着手しており,研究期間終了までに計画の通りに進めることができる見込みである.
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Causes of Carryover |
(理由)ARに関するの実験用機材の購入を一部見送り,使用中のもので代用したため残額が生じた. (使用計画)研究成果発表費用等を計画している.
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