2017 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルメディアにおける情報伝達現象理解のためのネットワーク解析と可視化
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17K00152
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
伊藤 貴之 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80401595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 光男 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60734978)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソーシャルネットワーク / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は本研究課題の初年度として、ソーシャルネットワークの中でもTwitterに着目して各種データを抽出し、それを用いたいくつかの可視化を試みた。 ひとつめの課題として、Twitter上の有名人の発言がどのように拡散(リツイート)されるかを可視化した。具体的にはTwitterの特定人物の発言の中から代表的ないくつかを選び、その発言がいつ誰によって拡散されたかを収集した。その結果について、ツイートを横軸に沿って、拡散者を縦軸に沿って並べて可視化することで、どのような拡散をするユーザ層がいるかを効果的に可視化できた。具体的な適用事例として5人の有名人のツイートを題材とし、その可視化結果の違いを議論した。 ふたつめの課題として、位置情報つきツイートを集計して時刻・緯度・経度を3軸とする3次元空間に表示するとともに、それをVirtual Reality環境で閲覧し、さらに閲覧場所における代表的なツイートを表示するアプリケーションを開発した。これは当初の計画になかった研究課題であるが、留学先でVirtual Realityに関する研究開発に従事した学生が本研究課題に合流した結果として生まれたものである。具体的な適用事例として、東京ディズニーリゾート近辺の1か月間のツイートに関する集計結果を可視化した。 これらの研究成果とは別に、ソーシャルネットワークを可視化するための基盤技術としての汎用的なネットワーク可視化手法の研究にもいくつか着手している。これらを適用することで平成30年度以降の本研究課題の成果にもさらに拡がりが生まれることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究課題の想定として、ネットワーク可視化の基盤技術の研究、Twitterを題材としたツイートデータの収集と初期的な可視化の試みなどを実際に行った。これに加えてVirtual Realityを応用したツイートデータの閲覧環境に関する研究にも着手できたことで、当初の計画を超える広い範囲での研究が進展している。要因としてはTwitterのデータ収集に詳しい若手研究者を他大学から分担研究者に招いたこと、留学先でVirtual Realityの技術開発を習得した学生が本研究課題に合流したこと、などがあげられる。平成30年度はこれらの成果を多数の学会に発表することで、ここまでの成果を有効にアピールしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降も引き続き、Twitterを題材としてソーシャルデータの可視化に努めたい。すでに研究に着手している「リツイート機能による拡散現象の可視化」「Virtual Reality環境での位置情報付きツイートの可視化」については、現時点での成果を国際会議にて発表するとともに、さらにデータを拡張して研究の信頼性を向上させたい。 拡散現象の可視化については、有名人アカウントのツイートを1人5個しか抽出していないことから可視化結果も小規模なものとなっている。また現在使っている可視化ツールの制約により、リツイートを実行したユーザを500人にサンプルして可視化している。これらの理由による小規模な可視化を、さらに大規模な可視化に展開したい。 Virtual Reality環境での位置情報付きツイートの可視化については、閲覧位置における代表ツイートの選出技術を改善したい。またさらに広範囲・長期間のデータを対象として研究を進めることで、研究の信頼性と拡張性を検証したい。 これらとは別に、ネットワーク可視化の基盤技術についても研究を進めたい。具体的にはラベル付きネットワークの可視化に関する汎用的な新規手法の開発に取り組んでおり、これを「ラベル付きユーザ群の友人関係の可視化」に活用するという形で本研究課題に合流させたい。
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Causes of Carryover |
平成29年度は当初の想定よりも機材の購入が必要なくなった。一方で平成30年度に複数の国際会議発表が計画されているため、平成29年度の予算の一部を平成30年度に持ち越すことが適切であると考えた。
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Research Products
(9 results)