2018 Fiscal Year Research-status Report
気象ビッグデータからの機械学習による災害前兆現象自動抽出システムの構築
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17K00158
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
本田 理恵 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (80253334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 健史 国立研究開発法人情報通信研究機構, 総合テストベッド研究開発推進センター, 研究統括 (20274342)
佐藤 晋介 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所リモートセンシング研究室, 研究マネージャー (30358981)
佐々 浩司 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (50263968)
村田 文絵 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 講師 (60399326)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 時空間データマイニング / オブジェクト抽出 / CNN / 深層学習 / フェーズドアレイ / 漏斗雲 / オブジェクト追跡 / 混合分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、気象に関する時空間のビッグデータから機械学習の手法を用いて時空間変動パターンを抽出し、これを基にした知識発見支援シス テムを構築することである。特に具体的な事例としてひまわり8号画像や3次元気象レーダデータに展開しwebからの参照やアラーティングが可能なシステムを開発することを目指している。この際、バッグエンドには分散処理システムを構築し、大規模データの効率の良い処理、アクセスを確保するものとしている。 2019年度は、昨年度に引き続きパターン抽出の基本アルゴリズムの抽出と検討を行いながら、並行して並列計算、分散処理のためのGPUを搭載したマシンを複数台購入し、実施環境の整備をはじめた。 パターン抽出アルゴリズムとしては、フェーズドアレイ気象レーダデータからの降水コアの自動抽出・追跡の手法を継続して検討した。ここではこれまでに開発した多変量正規分布の混合モデルを用いた抽出法の検討をさらに進めて、オブジェクトの時間連続性や空間的位置関係から、新規発生、融合、消滅などのイベントを自動判別してラベリングを行えるように発展させ、実際にフェーズドアレイデータに適用してその有用性を確認した。この内容は本田研究室の学生の修士論文としてまとめられ、H31年3月のデータ工学に関する学会(DEIM2019)で発表された。 また、竜巻発生時の漏斗雲など、監視カメラで検出可能な特徴をCNN(畳み込みニューラルネットワーク)によって学習、検知する手法の検討については、遠方に存在する微小な特徴から接近した大きな特徴まで階層化画像を用いてシームレスに検出する手法を検討した(2019年6 月の人工知能学会で発表予定)。 なお本年度は分担者全員による全体会合を実施することができなかったが、成果については随時共有し情報交換を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究担当者が他のプロジェクトで一定の時間を割かなければならなかったため、全体統合システムとしての構築の準備がやや遅れた。また、初年度導入するはずであった並列分散処理のための計算機を本年度導入としたため、システム構築のための準備や検証がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
H31年度に導入した並列・分散処理システムとしてのバックエンドシステム上でのフレームワーク構築、システム検討と実装を開始する。これと並行してパターン抽出アルゴリズムの検証も、大量データを使用する中で明らかになることを整理し、システムに反映していく。リアルタイムに取得されるデータの配信、処理や、その結果をweb上から抽出結果などを視覚的に確認できるシステムの設計も同時に進める。年度内の早い時期に、研究者を集めて、最終アウトプットシステムについての議論を行い、実装されたシステムについては評価を受ける。また海外の会議(KDD、SDM、PKDD)などへの投稿の準備を進める。
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Causes of Carryover |
導入システムのチューニングやメンテナンス、HDDの追加購入、最終年度の打ち合わせ旅費、およびデータ処理のための謝金費用として使用するために取り置いたためである。11月ごろまでにこれらの目的で使用する予定である。
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Research Products
(15 results)