2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of 3D data reduction system for sharing large CAD model with AR on smart phone.
Project/Area Number |
17K00162
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
宮地 英生 東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (00501727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小木 哲朗 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科(日吉), 教授 (00282583)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | データリダクション / 点群データ / 大規模可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題はCADなどで作成される面データを点群データに変換することによってデータ量をリダクションすることが目的である。その基本的な変換手法は論文として発表済で、大規模なデータに対して高速にデータ量を減らす効果が確認されている。しかし、まだ、データリダクション後の画質についての検討が不十分である事、適用事例が少なく実用のために必要な周辺技術が不明である事が課題であった。 初年度目標は、研究の中核となる面データから点群データの生成時に必要となるパラメータと画質に関する特性を明らかにすることである。提案手法では、3次元点群生成に利用するレンダリング画像数、および、各レンダリング画像の画面解像度という2つのパラメータを利用者が任意に設定できる。これらのパラメータと3次元点群の画像品質との関係を、球や立方体という基本的な図形を用いて調査した。2つのパラメータと画像品質のチャート図を作成することで、パラメータ設定の指針を明らかにできた。 また、同じ論理を点群データのリダクションへの適用も試みた。ここでは、オリジナルの点レンダリングソフトウエアを開発した。Zバッファと同じく、一番手前の情報を記録する点IDバッファを実装することで、レンダリングによって可視となる点のIDを取り出すことができ、データ変換ではなく、データの間引き(抽出)処理とすることができた。この結果、複数方向からの間引き処理をしたときもユニークなIDを用いることでデータの重複を防ぐことができ、軽量化効果を高めることが可能となった。 これらの結果を用い、複雑な形状の事例として京都祇園祭の山車の点群データの軽量化を試み、良好な結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本課題はCADなどで作成される面データを点群データに変換することによってデータ量をリダクションすることが目的である。初年度目標である、この処理において、任意に設定可能な2つのパラメータとリダクション後の点群データの品質に関わる特性調査は予定通り実施することができた。さらに、本手法は面データから点群データへの変換だけでなく、点群データの間引きにも適用した。点群データは、従来のレーザ計測だけでなく、ドローンなどを用いた空撮画像からも地形や建物の形状を計測するために利用されており、土木領域での実用化が急速に進んでいる。それらの需要への適用を念頭におき、従来の研究計画になかった点群間引きに特化したシステムを開発・評価した。点群専用のシステムには、点をユニークに特定できる点IDバッファを実装した専用のレンダラーを開発し、その有効性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、当初の予定通り、開発したシステムをサービスとして公開する予定である。この公開は、当初の予定である面から点への変換に加え、点群データの間引き機能を実装する。利用者を募り、本提案手法の有効性を検討するとともに、課題の改善に取り組む予定である。 また、立命館大学が主導するインドネシアの仏教遺跡の写真計測プロジェクトへの参加、および、地元の横浜市立歴史博物館と連携した遺跡・古民家の写真計測を企画しており、それらの計測データに本手法を適用し有効性を示すとともに、さらに必要となる周辺技術の開発を行う。
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Causes of Carryover |
東京都市大学では、基本ソフトウエアの改変に関わる委託経費が予定よりも安く実施できたこと、慶応大学ではアルバイト費を計上していたが学生の研究活動の中で開発が実施できたため、その経費が未使用となった。未使用分は平成30年度に、それぞれ、ソフトウエア開発委託、アルバイト費で利用予定である。
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