2018 Fiscal Year Research-status Report
デジタルサイネージへの多重情報埋め込み技術に関する研究
Project/Area Number |
17K00163
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
海野 浩 神奈川工科大学, 情報学部, 助教 (40387080)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上平 員丈 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (50339892)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | マルチメディア情報生成 / 情報ハイディング / デジタルサイネージ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究成果に基づいて,第2年度である当年度は,複数の種類の情報を埋め込む方法(多重化),情報の読み出しの同期法,および,情報の選択的読み出し法の検討を行った.複数の種類の情報を埋め込む多重化の方式として時間的多重化方式(時分割多重化方式)を採用する方法を検討した. まず,複数の種類の情報を格納する「表示1シーン」と呼ばれる情報のフォーマットを定義した.表示1シーンは,「開始ブロック」と1つ以上の数の「情報ブロック」から構成される.この表示1シーンのフォーマットは,(1)複数の種類の情報を埋め込むことが可能であり(情報の種類の数だけ情報ブロックの数をもつ),(2)時間同期用のフレーム列として開始ブロックをもたせることにより,撮影された動画像から開始ブロックに相当するフレーム列の先頭フレームの番号を決定することを可能とし(時間的同期が可能),(3)その時間的同期に基づいて,複数の種類の情報のうち,任意の情報を選択して抽出を可能とするように,形式的に定義された. 次に,提案した表示1シーンのフォーマットに基づいて複数の情報が埋め込まれた動画像がディスプレイに表示され,その表示された動画像がビデオカメラで動画像として撮影されたとき,撮影した動画像から,開始ブロックに相当するフレーム列の先頭フレームの番号を検出する方法を提案した. 次に,その開始ブロックに相当するフレーム列の先頭フレームとして検出したフレーム番号に基づいて,撮影された動画像から,埋め込まれた複数の種類の情報のうち,任意の情報を選択して抽出できる方法を提案した. さらに,これらの提案方法の実現可能性を実験により検証した.すなわち,開始ブロックが検出可能であるか否か,第n情報ブロック(第n番目の情報用フレーム列)に対応する総和画像が第n番目の情報として埋め込まれたものであることを実験により確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第1年度は,基本設計,情報の埋め込み法(空間多重化を除く),情報の読み出し法における同期法(空間的同期法を除く)の検討を行った.特に,情報の埋め込み方法において時空間変調を用いた場合の不可視性と可読性の両立性について,埋め込み先の色成分に対する人間の特性による不可視性と可読性における輝度変調値の範囲を明らかにした. 第2年度は,複数の種類の情報の埋め込み方法・読み出し方法の検討・提案と提案方法の検証を行った(空間的多重化,空間的同期方法を除く).特に,時間的多重化方式を用いた場合の,複数の種類の情報の埋め込み方法,および,その情報の選択的読み出し方法について,埋め込み方法である情報のフォーマットを形式的に定義し,複数の種類の情報の選択的読み出しに必要な,表示側と撮影側との間の時間的な同期方法,および,選択的読み出し方法を提案し,提案した時間的多重化法の基礎的な実現可能性を実験により明らかにした.
|
Strategy for Future Research Activity |
第2年度までの研究成果に基づいて,第3年度は次のように研究を推進する. まず,時間的多重化方法を用いて複数の種類の情報を埋め込み,情報を選択的に読み出す方法について,その方法の性能を評価する.すなわち,メタ画像の埋め込み強度(輝度の振幅変調値ΔB)と抽出される情報の可読性との関係,および,抽出した総和画像において二値化閾値を得ることが可能か否かを検証する. これと並行させて,情報の埋め込み法として,一辺をk画素とする正方形の領域を単位として,その領域の空間的輝度変調,時空間的輝度変調の有無で2進数を表現する方法について,kの大きさによる空間的密度と不可視性・可読性の両立性を検証する.この検証ではチェッカーボード・パタンを用いる.この実験の結果は,(1)空間的多重化法で複数種類の情報を埋め込む方法,および,(2)読み出した情報の提示法である,読み出された文字情報を特定の位置に表示するときの,位置情報の精度の基盤となる.この結果に基づいて,これらの埋め込み方法,提示方法を検討する. また,誤り訂正が可能な方法や特定のユーザのみ読み出しができる方法など高度な埋め込み方法の基礎的な検討を行う.さらに,音声情報の埋め込みについても基礎的な検討を行い,その可能性を明らかにする.
|
Causes of Carryover |
国内出張旅費の金額は,応募時点で国内出張(北海道,九州,沖縄地区)の場合の標準的な金額を参考として見積もった.実際の出張の会場は山形県であったため支出額は見積額よりも低い金額となった.この差額が次年度使用額として生じた.この額は,次年度の消耗品の購入に充てることを計画している.
|
Research Products
(2 results)