2021 Fiscal Year Research-status Report
OpenFlow結合網配備クラスタを対象としたMPI実行時計算・通信連携機構
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17K00168
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊達 進 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (20346175)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MPI / SDN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、MPIプログラムの特性とSDN(Software Defined Networking)のネットワークプログラム性を連動させ、MPIプログラムを高速に実行する並列分散計算実行基盤を実現する。具体的には、OpenFlow結合網配備クラスタ上で、MPI通信によって発生するネットワークフロー系列をOpenFlowコントローラでプログラム制御することで、MPI通信時間の縮減をねらう。本目的のために、申請者の科学研究費を通じて開発済みのフロー制御命令列ジェネレータが生成し、OpenFlowコントローラが入力として利用するMPI通信系列のフロー制御命令列を、MPIプログラムの計算実行に合わせて連動させる仕組み、すなわち、MPI実行時計算・通信連携機構を中核技術として開発する。本目的のために、本年度は、一昨年より推進中の「課題3. 実環境での性能評価と有用性検証」に関する研究開発を推進した。当該研究計画に基づき、本年度は2020,2021年度に続き、下記の具体的な研究課題[ph.d]を推進予定とした。しかし、後述する通り、半導体不足の問題による実験機材不足、および新型コロナウイルス感染症の影響により、実験環境を実際に構築することが困難となっている。
[ph.d] 実環境での性能評価と有用性検証 OpenFlow網をインターコネクトとするクラスタシステム(28ノード:12cpu/ノード)上に、本研究成果を用いて構成する並列分散計算実行基盤を実際に構築し、本研究成果となるMPI実行時計算・通信連携機構の性能評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、一昨年度に、[ph.d] 実環境での性能評価と有用性検証、として、並列分散計算実行基盤を実際に構築し、本研究成果となるMPI実行時計算・通信連携機構の性能評価を本格的に行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響をうけ、一昨年度前半から本年度にかけて、サーバルーム内での実験環境および評価環境の構築などほとんど着手ができない状態が継続しており、実験計画に大幅な遅延が生じている。また、世界的な半導体不足の問題もあり、実験に必要である機材が入手しにくい状態も継続しており、実験計画が進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症に対する対策(リモートアクセス環境をはじめ、マスク、フェイスシールド等の物理的な対策)を行いながらも、遅延している実証環境の構築をおしすすめたいと考える。また、半導体不足の問題については、既存の機材を利用できないかの検討も進め、本研究における最終マイルストーン課題[ph.d] 実環境での性能評価と有用性検証を進展させ、本研究の最終成果をとりまとめる。
[ph.d] 実環境での性能評価と有用性検証 OpenFlow網をインターコネクトとするクラスタシステム(28ノード:12cpu/ノード)上に、本研究成果を用いて構成する並列分散計算実行基盤を実際に構築し、本 研究成果となるMPI実行時計算・通信連携機構の性能評価を行う。
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Causes of Carryover |
世界的な半導体不足の問題により、実験に必要な機材を入手できなかったこと、また、実験環境構築に伴い予定していた大学院生補助も新型コロナウイルス感染症対策のため困難となり、当初予定していた予算執行が不可能となった。
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