2019 Fiscal Year Research-status Report
クラウドサービス利用者の安心感を高めるセキュアマルチパーティ簡易計算
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17K00170
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
宮島 洋文 岡山理科大学, 総合情報学部, 講師 (60781995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 則郎 中央大学, 研究開発機構, 機構教授 (60111316)
重井 徳貴 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (90294363)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クラウドコンピューティング / エッジコンピューティング / 簡易秘密計算法 / 機械学習 / ニューラルネットワーク / ベクトル量子化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、クラウド上のデータを安全かつ安心して利用するシステムの提案を目的とする。 1. エッジシステムに適した機械学習アルゴリズムの提案 2019年度においては、クラウドシステムにおける技術の一つであるエッジシステムについて、データの安全性を高めつつ、高速で機械学習を実現するシステムについての研究に取り組んだ。エッジシステムでは、エッジと呼ばれる複数のサーバを用いる。本研究では、複数のエッジを用いてデータを分散管理することにより、データの安全性を高めた手法について検討を行った。しかしながら、従来の機械学習手法は、データの分散管理を行うエッジシステムに対応していない。そこで、本研究手は、いくつかの機械学習手法について、データの分散管理を行うエッジシステムに対応したアルゴリズムの提案を行った。それらの提案手法は複数のエッジを用いた並列計算を行うことで、高速で計算処理を行うアルゴリズムとなっている。 2. 提案手法に対する能力評価 (1)提案手法の能力について、数値実験により、データの安全性を考慮しない従来の機械学習方法と同等の能力を持つことを確かめた。(2)提案手法における情報の安全性について、数値実験による検証を行った。(1)、(2)により、提案手法が能力の高さと情報の安全性を両立する手法であることを確かめた。 3. 研究成果を、国内および国際学会の場において発表した。 4. 研究成果を論文としてまとめた。また、それらの論文が論文誌において掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始時点においては、データの暗号化と分散管理を行う簡易秘密計算法に関する研究を中心に進める予定であった。しかしながら、研究を進めるうちに、エッジコンピューティングと呼ばれる技術に関する研究にも取り組むこととした。近年、クラウドシステムにおいては、サーバに対して多くのクライアントが接続されることで、サーバの処理能力が低下することが問題となっている。エッジコンピューティングはこの問題を解決する手段の一つであり、また、このエッジコンピューティングは、データの安全性を高める手法の一つであるデータの分散管理を実現することができることから、本研究で目的である、データの安全性を高めたデータの記憶・処理システムの提案にも有用であると考えられる。このように、現実社会における問題の解決と、研究目的の達成という観点から、エッジコンピューティングに関する研究に取り組むことは必要であると考えられる。これまでは簡易秘密計算法に関する新たな手法の提案、数値実験による提案手法の有効性の検証、研究成果の発表などを行ってきたが、エッジコンピューティングに関する研究にも取り組むようになった後は、エッジコンピューティングに関するデータの安全性を高めた新たな計算処理手法の提案、提案手法の有効性の検証、研究成果の発表なども行うこととなった。このように、当初の予定よりも多くの内容を取り扱うようになったため、研究の進捗状況は、研究開始時点における予定よりもやや遅れている、という判断を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.簡易秘密計算システム、エッジシステムの高度化 これまでの基礎研究を踏まえて、それぞれの分散表現法を用いた機械学習システムを構築し、各種のアプリケーションへ以下の手順に従って応用する。(1)クラウド上での秘匿データに対する機械学習の実現:ファジィシステムやGA、PSO、EM法等の進化的計算法による学習 、ディープラーニング等の実現 (2)クラウド上での秘匿データに対する機械学習(ビッグデータ処理)の実現: k-means、ニューラルガス、SOMやカーネル法などのベクトル量子化による学習の実現 (3)クラウド上での秘匿データに対する強化学習の実現: Q-学習やPS-学習などの強化学習法を実現する (4)医療や市場分析などのデータ処理、ビッグデータ、画像認識やIoTなどの人工知能応用、ロボットや車の自動運転などの新しい知識処理へ簡易秘密計算法を導入する。 2.簡易秘密計算APIの高度化 上記3つの設計を統合して、階層構造をもつ簡易秘密計算APIを実装する。 3.安心・安全性理論の高度化 (1)安心・安全性理論の高度化:外部からの攻撃に対する安心・安全性の評価や k-out-of-n 秘密分散法を含む一般化された理論の構築 (2)システム評価への応用 (i)k-out-of-n 秘密分散法を用いたシステムの安全性評価 (ii)分散表現のデータを非一様に分散したシステムの安全性評価 (iii)ダイナミックシステムの安全性評価 ・機能別の学習方法による安全度の違いを明らかにする。 4.基盤技術の確立とまとめ これまでの成果を各班で相互に共有し連携を進めると共に、共同研究者と連携しながらプロトタイプシステムとその評価を進め、実証実験等を行い、簡易秘密計算システムの基盤技術を確立する。
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Causes of Carryover |
研究開始時点においては、データの暗号化と分散管理を行う簡易秘密計算法に関する研究を中心に進める予定であった。しかしながら、研究を進めるうちに、エッジコンピューティングと呼ばれる技術に関する研究にも取り組むこととした。課題に対する研究を進めるうえで、現実社会における問題の解決と、研究目的の達成という観点から、エッジコンピューティングに関する研究に取り組むことは必要であると考えられる。当該年度においては、新規で機器を購入して数値実験を行うことや、専用機器を購入してアプリケーション作成を行うことよりも、このエッジコンピューティングに関する理論研究を進めてきた。そのため、未使用額が発生した。 また、研究で扱う内容が拡大したことから、補助事業期間の延長を申請し、承認された。延長された期間においては、助成金の未使用額について、(1)提案手法の有効性を確かめることを目的とした数値実験の実施 (2)提案手法を用いたアプリケーションの開発 (3)国内・国際学会における研究成果の発表 (4)研究成果についてまとめた論文の学術雑誌などへの投稿 などに用いる。
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Research Products
(6 results)