2019 Fiscal Year Annual Research Report
Accelerating Convergence to a Feasible Solution in a Multi-Item Multi-Process Dynamic Lot size Scheduling Problem
Project/Area Number |
17K00175
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 稔 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (50537644)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高性能計算 / 並列処理 / 生産スケジューリング / OpenMP / 並列化計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
多品目多段工程動的ロットサイズスケジューリング(Multi-Item Multi-Process Dynamic Lot size Scheduling: MIMPDLS)問題とその解法までを含むMIMPDLSモデルが既に提案されている。このモデルはロットサイズの決定、ロット順序の決定、使用機械の決定、最適在庫水準の決定など、生産スケジューリング問題に含まれる多くの異質の決定局面を同時に最適化することができる極めて頑健なモデルとして知られている。しかしながら、取り扱う決定局面が多い事や問題規模あるいはデータの性質などの影響によっては相当の計算時間を要することが報告されている。 この計算時間の問題に対応するため、昨年度までに本研究課題の中で、MIMPDLSモデルに対するOpenMPによる並列処理技術を用いた計算時間の高速化に関する提案を行った。しかしながら、昨年度までには一つの機種における数値実験結果しか報告されておらず、その他の環境での並列化効果については明らかにされていなかった。また,問題規模も小規模のみであった. そこで令和元年度は前述の機種を含む異なる機種によって、同じ9品目の小規模問題と63品目の中規模問題に対して数値実験を行い,それらの比較検証を行った。 その結果、小規模問題に対しては並列処理を有効にすることによって、並列化前と比べて最大3倍以上の高速化、すなわち1/3以下の時間で計算を完了できる可能性が示唆された。同様に、中規模問題についても、小規模問題と同様約2.8倍の高速化、すなわち約1/3の時間で計算を完了できる可能性が示唆された。しかしながら、すべての機種でこれらの結果が得られたのではなく、機種によってはあまり並列化の効果が認められない結果も得られた。今後は、どのような場合に良い結果が得られ、どのような場合にうまくいかないのかの検証をしていく必要がある。
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